2021年度の研究では、コロナ禍によって海外への渡航が難しくなったため、引き続き国内での調査インタビューに集中して取り組んだ。第1に、橋本憲一と共同で、京料理の理論的探究に向けての試みとして、アブダクティブ。サービスデザインの枠組みを形成し、それを元に京料理の具体的な不思議の解明を行った。その成果は『和食文化研究』第4号(2021年12月)に掲載された。 第2に、鎌田直美(京都大学経営管理大学院2年)と共同で、株式会社コラレアルチザンジャパン(本社:富山県南砺市井波)代表の、建築家・山川智嗣氏が展開する宿泊施設Bed and Craft事業についてのインタビューを実施し、その展開を「出来事年代記」」(田村正紀)にまとめ、エフェクチュエーションの具体的なプロセスとして分析した。その結果は投稿準備中である。 第3に、瀬戸川淳美(京都大学経営管理大学院2年)と共同で、米国「1Hotel Central Park」に関する宿泊客の、トリップアドバイザーに書き込まれた口コミデータを元にテキスト分析を行い、宿泊施設はサステナブルな旅行を求める宿泊客にどのような情報発信をすべきか、宿泊施設にサステナブルを求める宿泊客のサステナブルの満足要因は何か、サステナブルを評価する宿泊客にはどのような特徴があるか、について明らかにした。その成果も投稿準備中である。 第4に、京都ものづくりバレー構想の研究と推進寄附講座(京都大学経営管理大学院)の代表責任者として活動し、2022年3月12日、妙心寺退蔵院(京都市)でシンポジウム(オンライン)を開催し、「エフェクチュエーション都市とは」というテーマで、サラス・サラスバシー教授が講演を行い、パネルディスカッションに参加した。この成果の公表についても準備している。
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