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2022 年度 実施状況報告書

消費者の自己表現と自発的ブランディングの理論と実証

研究課題

研究課題/領域番号 18K01881
研究機関横浜市立大学

研究代表者

柴田 典子  横浜市立大学, 国際商学部, 准教授 (60347284)

研究分担者 櫻井 聡  千葉商科大学, 商経学部, 准教授 (10638191)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードブランド / 自己表現 / テキストマイニング / 質的データ / 消費者行動 / 自分らしさ
研究実績の概要

本研究は、ブランドを「自己表現を通じて自己概念を変容させる存在」と捉え、当該ブランドの消費者の自己とブランドが互いに影響しあうことで、消費者個人の中でブランド化していく過程を理論的・実証的に検証することが目的である。その過程を本研究では「自発的ブランディング」と呼んでいる。
消費者の「平常時」における自己概念(自己イメージ)と「ブランド使用時」における自己概念、および自己表現の手段となるブランド・イメージの3つの要素間の関連性について理論的研究を行いながら、質的分析を実施している。
これまで収集してきた定性データに加え、今年度も自記式の定性調査を実施した。源データにおける、誤字脱字、単語ないし用語の表記揺れチェックなどの分析用データ生成のための下準備をおこない、主にKH Corderを用いてテキストマイニングを実施した。
それによって、1)製品・ブランドの使用・所有によって活性化される自己の内容を分析、2)自分にとって重要な製品・ブランドの意味、3)当該製品・ブランドのパーソナリティと回答者のパーソナリティとの関連性、4)ブランド利用時の自己概念と、平常時の自己概念の比較など、さまざまな角度から、探索的な分析を行った。
ブランド・パーソナリティ尺度得点を用いクラスタリングを行い、ブランド利用時の自己概念についての共起ネットワークを生成したところ、一定の傾向をみいだした。しかしながら、その傾向を導き出すまでの過程は探索的な色彩が強く、その傾向を導き出すまでの過程は恣意性がやや強いものであった。そのため発表に至らなかった。現在は、別の角度から、ブランド・パーソナリティと、ブランド利用時の自己概念の関係性を示す分析方法を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍による環境変化により、過去に収集したデータのデジタル化や新規データの収集(対面による定性調査や観察調査などを含む)といったデータの整備において大きな遅れが生じたことが主要な要因としてあげられる。対面形式での研究補助者(アルバイト雇用)の活用がほとんどできなかったことも進捗に影響があった。
また、本研究で収集している質的データは、回答者が自由に選んだブランドに対してのものである。したがって、カテゴリー横断的で、列挙されるブランド数がきわめて多く、逆に一定数以上の回答者が採りあげている同一ブランドの数は少ない。そのため、用語の整理、回答者がとりあげたブランドの分類方法、尺度の信頼性の検証方法、および数年に渡ってデータ収集している過去のデータとの整合性の持たせ方、時系列的な分析方法の再検討などで、当初想定していたよりも、時間がかかっていることも理由のひとつである。

今後の研究の推進方策

これまでに収集してきた紙媒体によるデータをデジタル化し、時系列的な分析を行う。加えて、自分にとって重要な意味をもつ製品・ブランドを使用することの重要性と自己概念の明確さとの関連に重要性を見出したため、今後はこの点を含めて検討を行う。
またテキストマイニングの手法として、直感的理解のしやすい、共起ネットワークの生成を主に行ってきた。方針に大きな変更はないが、時系列で単語の使われ方などの変化を捉えるために、TOPICモデル(例えばLDA)を適応することも検討しはじめている。

次年度使用額が生じた理由

アルバイトを雇用したデータ整備を行うことができなかったため。

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公開日: 2023-12-25  

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