研究課題/領域番号 |
18K01889
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
菅野 佐織 駒澤大学, 経営学部, 教授 (00383373)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | セルフ・ギフト / 国際比較 / ブランド・リレーションシップ / ラグジュアリーブランド / コラボレーション戦略 / ミックス・エモーション |
研究実績の概要 |
本年度はこれまで継続して取り組んできたセルフ・ギフトの消費行動に関する国際比較研究についての論文を執筆して出版した("Motivations, Demographics & Self-Gifting Consumer Behavior in Japan and the USA" in International Journal of Business Management and Commerce)。この研究は、米国の国際ビジネス研究者であるRoblyn Simeon教授(サンフランシスコ州立大学教授)との共同研究であり、Simeon教授と共に取得した米国・日本の消費者データをもとにセルフ・ギフトの消費行動に関する国際比較を行っている。研究の分析視点としては、個人的文化特性、モチベーション、デモグラフィック要因であり、それらがセルフ・ギフトの消費行動とどのような関連を保持しているのかについて、調査課題および仮説をもとに分析を行った。いくつかの発見があるが、自己観が異なる両国においてセルフ・ギフトはポジティブな見方がされていること、女性の方が男性よりもセルフ・ギフト消費に対してポジティブであること、両国共にセルフ・ギフト消費のモチベーションにはポジティブなモチベーションだけでなく、ネガティブなモチベーションがあること(一方で米国と日本ではモチベーションの違いが存在)などが示された(詳細な分析結果については論文を参照のこと)。 また、本年度は、ラグジュアリー・ブランドとマス・ブランドのコラボレーション戦略に関する研究に着手し、既存研究をもとに仮説を導出し、3回のプリ調査を経て調査計画を立案した。その後2回の本調査を経て、データを取得した。こららのデータをもとに仮説検証のための分析を行い、消費者行動研究学会およびマーケティング学会にて学会報告を行った。この研究は論文にまとめ、海外ジャーナルへの投稿を行い、査読者からのコメントを元に修正をして再投稿した(その後、当論文の採択が決定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響によって当該研究者の研究環境が想定とは異なってしまったこと、また、消費者調査の時期や研究方法の再検討をしなければならなくなったことが主な理由として挙げられるが、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究を始めた2018年度から3年が経過したが、この間に起こった世界的変化は消費者の価値観や行動をドラスティックに変化させている。当該研究者はこれまでブランド・リレーションシップという消費者とブランド間の心理的な結びつきに着目する研究を行ってきたが、COVID-19によって我々の生活やライフスタイル、価値観が変化する中で、ブランド・リレーションシップ研究の視点も大きく変化している。来年度は最終年度ということもあり、これまでの研究をまとめるだけでなく、今後の新たな研究へとつなげていくための研究に取り掛かる予定である。具体的には、ブランド・リレーションシップと心理的所有感の関係、ブランド・リレーションシップとウェルビーイングとの関連について研究を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
大きな理由としては、COVID-19によって海外渡航ができなくなり、国際学会への参加のための旅費を利用しなかったことが理由である。
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