研究課題/領域番号 |
18K01903
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
金 亨洙 久留米大学, 商学部, 教授 (60341301)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 日本型小売技術移転 / 日本型コンビニエンスストア技法 / 韓国移転 / 台湾移転 / 標準化戦略 / 融合化戦略 / 中国移転 / 日本型スーパーマーケット技法 |
研究実績の概要 |
平成30年度では、東アジアの中でも、特に韓国・中国・台湾を対象とする日本型小売技術の国際移転と戦略に関する研究資料調査と理論研究が目的であった。平成30年度の研究実績は、以下の2点である。 ①金亨洙「日本型SM(スーパーマーケット)技法の韓国・台湾の移転と戦略のインプリケーションに関する研究」『久留米大学商学研究』第24巻第2号、37-56頁。本研究では、日本型小売技術の中でも、2次的文献(川端、2003)を用いて、特に日本型SM技法の韓国・台湾の移転経緯と実態について分析しながら、筆者のモデル(4つのプロセス)基づき、日本型SM技法の韓国・台湾の移転と戦略のインプリケーションについてもを検討している。具体的には、日本型SM技法の韓国・台湾の移転と戦略は、移転対象となる諸技法のマニュアル化・プログラム化(標準化)の可能性の度合いを横軸とし、それらを規定する文化構造や経済過程などの制度的環境条件の類似度を縦軸にとると、両国において、「適応(修正)化」、「部分的適応(修正)化」ないしは「適用(標準)化」、「部分的適用(標準)化」という4つの戦略から展開していることが明らかになった。 ②学会報告(1回):共同発表(金亨洙、KIM LEENA)(2018年5月)「日本型コンビニエンスストア技法の台湾移転と戦略に関する研究」「第37回国際学術大会(韓国日本近代学会)』(於:韓国・韓南大学)。本報告では、日本型小売技術の中でも、特に日本型コンビニエンスストアに関する先行研究を通して日本型コンビニエンスストア技法の特徴を検討すると同時に、筆者ら(2017)のモデルに基づき、台湾におけるコンビニエンスストアの実態や競争構造を分析しつつも、二次的調査研究資料(鍾、2015)を用いて日本型コンビニエンスストア技法の台湾移転と戦略を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度(平成30年)の研究目的は、中国・台湾・韓国において、日本型小売技術の国際移転に関する研究資料調査と理論研究であった。 それゆえ、中国では、平成31年3月05日から10日にかけて、研究協力者とともに、上海のセブンイレブンやローソンを訪問し、社史や便利店の動向を把握することができ、上海図書館や中国連鎖経営協会等を訪問し、中国の連鎖経営年鑑等の統計資料集を入手することができたからである。中国では現地調査の受入れが厳しく制限されている状況の中でも、研究協力者の協力を得て粘り強く交渉した結果、研究がおおむね順調に進展している。 また、韓国では、同年3月12日から19日にかけて、ミニストップとCU(旧ファミリーマート)を訪問し、韓国便利店の現状等を把握し、国会図書館や日本商工会議所や便利店産業協会やチェーンストア協会等を訪問し、便利店産業動向や流通業態年鑑等の統計資料集を入手することができたからである。 しかし、台湾においては、現地企業等との調整が出来ず、実施することができなかったがゆえに、来年度(令和元年)に実施する予定である。台湾での研究資料等の現地調査においても、研究協力者(本学大学院生)の協力を得て実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
来年度(令和元年)では、今年度(平成30年度)に実施できなかった台湾での研究資料調査を行うと同時に、韓国と中国で入手した研究資料などの分析・統合と、その成果の発表にも重点をおいて研究を進める。 ⅰ)現地調査:令和元年8・9月をめどに台湾での研究資料調査と現地調査を実施する(1回)。また、同年11月をめどに、韓国ないし中国への現地調査を実施する。台湾・中国での現地調査の翻訳・通訳は留学生に依頼する。 ⅱ)学会・研究会:令和元年5・10月をめどに、研究成果の国際学術学会の報告と論文としてまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、中国での研究資料収集等を平成31年3月5日~10日に実施し、韓国での研究資料集等を平成31年3月12日~19日に実施することができた。しかしながら、台湾での研究資料収集については現地企業との調整ができず、実施することができなかったからである。 それゆえ、来年度(令和元年)には台湾での研究資料収集を行うと同時に、韓国ないし中国での研究資料収集と現地調査を行う予定である。そのための費用として、計上している。
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