本研究では、既に提示したモデルに基づき、日本型小売技法の東アジア移転と戦略について2次データを用いて分析した結果、日本と韓国・中国・台湾の間にはいくつかの異同が見られた。それらの異同が生じた理由は、移転対象となる諸技法のマニュアル化・プログラム化の度合いと、当該市場の制度的環境条件の類似度によるものであることを明らかにした。これらの要因を座標軸に設定し、さらに、日本型小売技法の韓国・中国・台湾移転と戦略を位置づけたところ、①「標準化」、②「(標準化に近い)融合化」、③「(適応化に近い)融合化」、④「創造的連続現地適応(修正)化」の現地化戦略がなされていることを明らかにした。
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