研究課題
基盤研究(C)
本研究では、「どのようなリーダーシップの下でどのような特性を有する業績測定システムが実践されれば効果を生み出すのか」を解明すべき問いとして設定した。結論として、「構造づくり」および「配慮」の2次元から経営トップのリーダーシップを捉えた場合、非財務指標を取り込んだ業績測定システムであっても、高いレベルでの「構造づくり」のもとでは、財務成果を重視した高度にトップダウン型のコントロールとして利用されるため、組織成員の自発的な行動を必ずしも生み出せていないことを明らかにした。
会計学(管理会計)
実務においてバランスト・スコアカードや方針管理の実践方法は必ずしも一様ではない。同じ技法であっても実践方法が異なる原因の一つは経営トップのリーダーシップにあると考えられる。経営トップのリーダーシップが異なれば組織成員に与える影響も変化しうる。リーダシップ・スタイルによって業績測定システムの活用方法や業績指標の利用方法が影響を受けることをs示した先行研究に対して、組織成員にマイナスの影響を与えるリーダーシップの存在を明らかにした点に本研究の学術的意義がある。