研究課題/領域番号 |
18K01916
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小形 健介 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (20347694)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 会計規制 / 企業会計審議会 / コンバージェンス / 強制適用 / 任意適用 / 会計の政治化 / 金融庁 |
研究実績の概要 |
本研究は,企業会計審議会(BAC)によるIFRS適用に関する問題を社会・経済政策の一環として捉え,2008年~2015年の間における,BACによる強制適用の推進という政策形成から任意適用の促進という政策転換に至るまでの一連のプロセスを対象に,新制度論における制度の形成・変化のフレームワークを用いて,「政策および制度はどのように,そしてなぜ形成されるのか」を明らかにするものである。 2021年度は,本研究で掲げた3つのリサーチ・クエスチョンのうちの2つ,「2011年~2012年の間,BACの強制適用推進の回避は,どのようにして展開されたのか?それはなぜか?」と「2013年以降,BACの任意適用増加という政策の転換は,どのようにして展開されたのか?それはなぜか?」について検討を行うことを予定していた(第1のリサーチ・クエスチョン「2008年~2011年の間,BACの強制適用推進は,どのようにして展開されたのか?それはなぜか?」については2019年度に実施済み)。 2021年度では新型コロナの影響を受け,国内外の研究会や学会が開催されなかったこと等もあり,上記2つのリサーチ・クエスチョンに対する議論が十分とは言えない。そのため,これらの問題のさらなる検討を2022年度に実施する予定である。なお,本研究で実施している社会ネットワーク分析を会計規制研究に適用する意義を検討した研究報告(論題:「会計規制領域における先端複合研究」)を2021年9月に日本会計研究学会第80回大会(九州大学,オンライン開催)で行い,その研究論文が2022年2月に雑誌『會計』にて公表された。また,2021年10月に第40回日本会計史学会(西南学院大学,オンライン)にて,第1のリサーチ・クエスチョンに関する研究報告(論題:「2000 年代半ばにおける日本基準の国際化推進要因の分析」)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に実施予定であった2つの分析,すなわち「2011年~2012年の間,BACの強制適用推進の回避は,どのようにして展開されたのか?それはなぜか?」と「2013年以降,BACの任意適用増加という政策の転換は,どのようにして展開されたのか?それはなぜか?」の議論が新型コロナの影響を受け,十分であるとはいえないため,「やや遅れている」との評価を行っている。本研究に対しては,補助期間の延長を認められており,これらの分析は引き続き2022年度に実施する。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度では,2つの分析,「2011年~2012年の間,BACの強制適用推進の回避は,どのようにして展開されたのか?それはなぜか?」と「2013年以降,BACの任意適用増加という政策の転換は,どのようにして展開されたのか?それはなぜか?」を実施する予定である。その上で,本研究のまとめを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響を受け,当初計画していた国内外への研究会や学会への出張が中止になったためである。
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