研究課題/領域番号 |
18K01920
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
塘 誠 成城大学, 経済学部, 教授 (80320042)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 管理会計 / 海外子会社 / インタビュー調査 / 業績管理 |
研究実績の概要 |
研究計画を遂行するために、メキシコで企業訪問調査を行った。企業訪問調査にあたっては、成城大学経済研究所と提携関係にあるグアダラハラ大学教授の協力を得て、共同で調査を行った。訪問先は商社、電機、食品など7社である。 各社共通で主に下記の事項について質問し回答を得た。1.企業概要、主な製品分野・マーケット、グループ全体の経営戦略とメキシコの位置づけ、レポートライン、サプライチェーン、研究開発とローカライズ、2.管理会計、財務マネジメントとして、仕入値と移転価格の影響、予算制度、KPI、為替リスク管理、3.異文化マネジメントの課題。このほか、各社独自の質問も行った。 同じ商社でもビジネスモデルが異なるなど、7社それぞれがユニークな経営を行っており、課題も異なっていた。例えば、為替リスクに悩む企業もあれば、うまくそれを回避している企業もあった。財務報告の機能通貨は、メキシコペソとする企業が多く、ドル取引であっても為替差損益が発生する。そのため、必然的に財務管理と管理会計の分離が必要であるとの感触を得た。 また、国内で4,000億円規模の大型M&Aを過去に実施した2社の本社にインタビューを行った。主に、財務会計と管理会計をどのように統合したかについて、調査した。これについては、2019年12月開催の組織会計学会研究会(成城大学)で報告した。 このほか、2019年06月22日に、日本組織会計学会 第3回全国大会(名古屋学院大学)の統一論題「戦略変更のためのマネジメント・コロールシステム」のパネラーの一人として、「セグメント業績評価と投資リサイクル-商社のケーススタディを中心として-」とのテーマで報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インタビュー調査を、海外はメキシコで、ならびに国内本社2社で行った。本調査結果は、2020年度に論文として公開予定である。 また、学会報告や論文執筆も行った。ただし、論文は英語のため公開まで1年ほどかかる見込みであり、今年度の業績とはならず、来年度の業績となる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、国内、海外でインタビュー調査を行う。これとともに、学会報告、論文執筆を行う。 ただし、新型コロナウィルス感染症の影響で、海外、国内ともインタビュー調査が難しい状況が予想される。その場合は、文献調査、論文執筆に時間を割く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は、本科研費でメキシコ調査を行った。当年度の交付額を超える支出があったものの、2018年度繰越分があったため次年度使用額が生じた。 繰越額は2020年度に行う海外調査に充当予定である。
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