研究課題/領域番号 |
18K01920
|
研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
塘 誠 成城大学, 経済学部, 教授 (80320042)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 管理会計 / 海外子会社 / インタビュー調査 / 業績管理 / 人的資源管理 |
研究実績の概要 |
2020年度は、日系海外現地法人の企業訪問調査を予定していたものの新型コロナウィルス感染症の影響で中止せざるを得なかった。 2020年度は、2本の論文が刊行された。1本目は、World Scientific Publishing Companyから英文書シリーズ、"Management Control Systems for Strategy Changes"に、"Segment Performance Evaluation and Asset Recycling: Case Study of a Japanese Trading Company"として2020年12月に刊行された。これは、2019年6月22日に、日本組織会計学会 第3回全国大会(名古屋学院大学)の統一論題「戦略変更のためのマネジメント・コロールシステム」のパネラーの一人として、「セグメント業績評価と投資リサイクル-商社のケーススタディを中心として-」とのテーマで報告した内容を英語にて論文化したものである。 2本目は、「海外現地法人に適した人的資源管理をカスタマイズする」として、企業会計(中央経済社)2020年7月号である。本稿では、海外現地法人の人的資源管理と管理会計との関係について、4社の事例を通じて検討した。4社のうち、3社は海外現地法人のトップは、ローカル人材であった。現地法人トップをローカルにし権限委譲したことにより、現地の文化に即した経営手法が採用される傾向にあることをまず指摘した。その場合でも、管理会計については日本と同様の仕組みを適用することが有効である一方、人的資源管理と業績評価の運用方法は、現地の慣習に即したものにすることが有効と考えられる点を指摘した。その前提として、財務会計による現地法人の業績と、人的資源管理とリンクする管理会計による業績管理とは別に運用される傾向にあることがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの、海外、国内インタビューの成果を踏まえて、2本の論文を執筆した。 ただし、追加的な海外現地調査が感染症の影響でできなかった。そのため、これについては、研究期間を次年度に延長して対応したい。
|
今後の研究の推進方策 |
研究課題に関して、一定の成果が得られているが、引き続き、追加的な国内、海外でのインタビュー調査を考えている。引き続き、これらが難しい場合には、これまでインタビュー調査した内容で、成果を公表していない点について、論文執筆に時間を割く予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の影響により、海外現地調査並びに国内調査ができなかったために次年度使用額が生じた。 2021年度は、海外インタビュー等で使用する予定である。
|