研究課題/領域番号 |
18K01920
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
塘 誠 成城大学, 経済学部, 教授 (80320042)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 管理会計 / 海外子会社 / インタビュー調査 / 業績管理 / 人的資源管理 |
研究実績の概要 |
2021年度は、日系海外現地法人の企業訪問調査を予定していたものの新型コロナウィルス感染症の影響で中止せざるを得なかった。国内の本社の企業訪問調査も同様の理由で実施できなかった。 研究の目的で指摘しているように、海外市場確保のため海外企業買収を伴う海外進出が増加している。そうすると多様な価値観をもった海外人材を企業グループに取り込むことで、企業グループ内での文化摩擦を生じさせ、業績管理システムに影響を与える可能性がある。そこで、本年は、異文化がどのように企業の業績評価に与えるについて、文献研究を中心に研究を進めた。異文化、企業文化の文献として、国際人的資源論や異文化コミュニケーション論がある。人的資源管理論の観点からは、国際人材の育成の問題として、日本からの海外派遣社員の育成、現地人マネージャーの育成、本社における外国人の採用等がある。また、異文化コミュニケーションの観点からは、業績評価との関連では特に、上司と部下、あるいは本国の親会社と現地マネージャーとのコミュニケーションの問題がある。 現在は、これらの文献研究の結果と、2018年度、2019年度に実施した企業訪問調査の結果を融合して新しい知見の発見を考察している段階である。さらに、有価証券報告書等による客観的データと異文化の影響を関連付けて分析できないかを検討している。具体的には、海外M&A等が企業ガバナンスに与えた影響、有価証券報告書のセグメント情報におけるM&Aで獲得した海外事業の取り扱いなどである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
すでに、海外、国内インタビューの成果を踏まえて、2本の論文を執筆している。 追加調査を昨年度より延期していたものの、新型コロナウィルス感染症による実質的な海外渡航制限があったため、海外インタビュー調査は実施不可能であった。同様に国内でのインタビューも実施を差し控えた。
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今後の研究の推進方策 |
研究課題に関して、論文執筆を行っており、一定の成果が得られている。追加的な国内、海外でのインタビュー調査を考えていたが、引き続き難しい状況が続いている。そのため、これまでインタビュー調査した内容に加え、有価証券報告書等客観的データの分析を行う。そのうえで、論文執筆を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内外の企業訪問調査を予定していたものの、新型コロナウィルス感染症の影響で中止せざるを得なかったためである。 国内外の企業訪問調査が2022年度に可能な状況に戻れば、これに充てる予定である。
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