| 研究課題/領域番号 |
18K01922
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| 研究機関 | 東京経済大学 |
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研究代表者 |
金 鉉玉 東京経済大学, 経営学部, 教授 (40547270)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | ベンフォードの法則 / 財務諸表エラー / 勘定科目 / 切り上げ / 切り下げ / ガバナンス |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、ベンフォードの法則を用いて数学理論を財務情報エラーの測定に応用することが可能であるかを検討することである。ベンフォードの法則の財務諸表エラー測定への応用は、特定期間における特定会計勘定の数字を用いて切り上げ（あるいは、切り下げ）行動を観察する分析と、サンプル企業の全ての会計勘定を用いた個別企業の財務諸表エラーを測定する分析などが考えられる。1983年度以降の長期サンプルを用いたこれまでの分析から、連結利益よりは単体利益、赤字企業よりは黒字企業において、利益の切り上げ行動がより顕著に観察されることを発見した。また、個別企業の財務諸表エラーの測定に関しては、上場企業の多くがベンフォードの法則に従った財務諸表を作っていることがわかった。さらに、ベンフォードの法則に基づいて推定した財務諸表エラーには、子会社数や海外子会社の有無そして内部取引などのグループ構造が影響を与えている可能性が示された。
本年度ではこの点を踏まえつつ、ガバナンス構造等にも注目しながら、ベンフォードの法則で推定した財務諸表エラーの有効性について検討していく予定であった。 ところが、今年度、は昨年度に引き続きCOVID-19の感染拡大が企業行動に与える影響を分析を中心に行い、COVID-19によって変化した市場の情報環境が情報のスピールオーバー効果に大きな影響を与えたことを発見した。そのため、本年度はベンフォードの法則そのものの分析はそれほど進んでいないが、来年度中には上記の研究課題をまとめる予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は昨年度に引き続きCOVID-19の感染拡大によって変化した市場の情報環境が情報のスピールオーバー効果に与える影響について分析を進めたため、本年度はベンフォードの法則そのものの分析は進んでいない。そのため、遅れていると評価している。来年度中には、勘定ごとの分析やガバナンス構造等も踏まえて、当課題についてまとめる予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究課題の最終年度にあたる来年度では、1特にエラーが多く観察される勘定、2企業の取締役構造や経営者交代などのガバナンスが財務諸表のエラーに与える影響、そして3リーマンショックやCOVID-19などの外生的な経済ショックが財務諸表エラーに与える影響の視点から分析を行なっていく予定である。これらの観点を踏まえて、財務諸表の質評価におけるベンフォードの法則の有効性についてまとめる予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由はCOVID-19の感染拡大により国内外の学会出張が中止となったためである。これらについては、次年度での出張で使用する予定であ る。なお、次年度も学会出張が困難な場合は、リスク顕在化データなどの購入に充てる予定である。
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