本研究は主に監査担当パートナーの特性が監査の品質に及ぼす影響を検証した。本研究で得られた主要な研究成果は次のとおりである。①監査事務所レベルの業種専門性(各業種における市場占有率で測定)については,指標自体の妥当性の問題がある。②国内では大手監査事務所による寡占により監査品質が低下する傾向にある。③監査担当パートナーの業種専門性(各業種における監査経験年数で測定)が高い場合,監査品質が高い傾向にある。④パートナーが女性である場合,監査品質が高い傾向にある。⑤監査チームの構成については,監査チームの規模とともにスタッフの経験値や専門性が高いと想定される場合には,監査品質が高くなる傾向にある。
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