本研究は、業績予算の導入により、業績評価情報と年度予算のリンケージの程度が高いと考えられる英国および豪州の各種組織において、業績制御性を条件とした業績評価システムがどのように機能しているかを検証することを目的としている。英国NHSおよび豪州NSW州基礎自治体の事例分析を通じ、両組織ともに、単に業績予算を運用しているのではなく、Cost Improvement Programme等といったパフォーマンス向上のためのプログラムを別途用意することによって業績制御性の条件を整備し、これと業績予算管理を組み合わせることにより、効率的公共サービスの実現を企図していることが明らかとなった。
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