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2020 年度 実施状況報告書

統制自己評価とモニタリングの質および財務報告の質との関係に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K01937
研究機関高知工科大学

研究代表者

上村 浩  高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 准教授 (10710189)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード統制自己評価 / 内部監査 / コーポレート・ガバナンス
研究実績の概要

本研究の目的は、日常的モニタリングの質、具体的には統制自己評価の質と財務報告の質との関係を実証的に明らかにすることにある。統制自己評価システムの運用状況については、企業にこれを公表する法的および制度的義務がないため原則表出することがないため、本研究では、わが国におけるすべての上場会社を対象としてサーベイ(アンケート調査)を実施した。当初、2020年7月に100社を対象にパイロット・テストを実施し、同年11月にわが国の全上場企業を対象とした本調査を実施する計画であった。しかし、2020年に顕在化した新型ウイルス感染症の問題により、7月に実施した調査では十分な回答を得ることが出来なかった。これは各企業が上記の問題に対処すべく奔走した時期であったことが深く影響している。この状況に鑑み、2020年11月に再度予備調査を実施し、その回答からアンケート内容を見直すとともに修正を加えることとした。特に予備調査は、統制自己評価に関連した質問項目に偏重したものとなり、回答企業から「内部監査全体として統制自己評価を位置付けるべき」というご意見を複数頂戴したため、本調査の質問項目の組み立てにおいて、これらに十分配慮した。
本調査は、2021年2月に郵送を完了し、3月31日現在約10%の企業から回答を得ている。現在、アンケートで得られた情報をデータ化するとともに、公表されている各企業の属性に関連する情報(企業規模、財務状況、取引の複雑性(セグメント数あるいは海外売上比率等)、コーポレート・ガバナンスの特性、契約監査法人の規模、監査報酬額等)を結合させた大規模なデータセットを作成している。今後は、これらのデータ分析から、統制自己評価の質のドライバー、すなわち統制自己評価システムの質に影響する要因について検証する。また統制自己評価の質と会計情報の質及び統制リスクとの関係について検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「研究実績の概要」でも述べた通り、予備調査時期(2020年上半期)及び本調査時期(2020年下半期)において、新型ウィルス感染症の問題が、国内はもとより世界的に顕在化し、多くの企業がこれらの対応に追われた。この結果、予備調査において十分な回答を得ることが出来なかった。これが第1の理由である。これによりアンケート調査項目の精査が遅延し、本調査を計画通り行うことが出来なかった。また同様の理由により当初計画していた対面形式によるインタビュー調査も実施が叶わなかった。

今後の研究の推進方策

当初計画より遅れているものの、現在では本調査に対する回答を各社より得ており、これに基づいた分析用のデータ・セットが完成しつつある。またリモートによるインタビューについて、2社と終了しているが、今後3社程度の追加調査を予定している。
また本調査における自由記述欄において、多くの回答企業が「フィード・バック」の提供を求めている。これについては、他社が特定されないよう十分に配慮する必要があると考えている。また企業にとって重要なフィード・バック情報についても十分に検討する必要があると考えている。

次年度使用額が生じた理由

新型ウィルス感染症対策の影響により、本研究の本調査(郵送によるアンケート調査)が当該年度に終了しなかったことにより、差額が出たものである。2021年5月現在、本調査は終了しており、当該差額(未使用分)が充当される計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Does Control Self-Assessment Influence Financial Reporting Quality?2020

    • 著者名/発表者名
      Uemura, Hiroshi
    • 雑誌名

      International Journal of Management and Humanities

      巻: 5 ページ: 70-76

    • DOI

      10.35940/ijmh.D1199.125420

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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