研究実績の概要 |
本年度が研究期間の最終年度であり、研究申請時にはIASB(刻材会計基準審議会)によるのれん会計に関するプロジェクトに一定の結論が出ると計画していたが、2022年の4月時点でもまだ検討が進んでおり、意思決定は先送りされている。そのため、会計基準設定が進行中の時点で、本研究の主題である「会計基準設定における説得」という点から研究をまとめるのは困難であった。それでも、国内外におけるのれん会計をめぐる言説(非償却・減損アプローチか定期償却再導入か)の動向を調査するなど、研究を進めてきた。その結果、査読を経て、2021年7月にオンラインで開催された(主催はオーストリアのインスブルック大学)学際的会計研究学会にて"A Rhetorical Analysis of Arguments in the Global Politics of Accounting Standard Setting: A Case Study about Accounting for Goodwill"と題した研究報告を行った。本報告は大変有意義であり、Sebastian Hoffmann氏 (University of Edinburgh), Christophe Pelger氏 (University of Innsbruck) や Thorsten Sellhorn氏 (LMU Munich)らから貴重なコメントを頂いた。その後、そういった報告に対するフィードバックを受けて研究論文を作成している段階だが、上記のように基準設定の結論が出ていない段階で色々と結論付ける難しさに直面している。そのため、派生的な関連研究の成果にも注力しているところである。
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