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2019 年度 実施状況報告書

原価企画が効果を発揮する状況に関する経験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K01947
研究機関早稲田大学

研究代表者

清水 信匡  早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (90216094)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード原価企画 / コストマネジメント / 製品アーキテクチャ / 製品開発マネジメント / 差別化製品 / コモティディ製品
研究実績の概要

本研究は、我が国の製造企業のコスト競争の優位性を支えていた原価企画はどのような状況(企業環境、事業戦略、製品アーキテクチャ等)のもとで有効に機能を発揮するのかという研究課題を理論的に考察し、仮説を導出し、質問票調査、インタビュー調査を通じて明らかにすることを目的とした。
2019年度は、2018年度に行った研究成果を英語論文(Nobumasa Shimizu, “Target Cost Management was Japan’s Force: What happened,”  China Management Accounting Review, 9(3), 2019, p.114-121.)にまとめた。具体的には、過去の実態調査・事例研究を分析して、原価企画が適合する製品の特性とコモディティ製品の特性との違いを分析したものである。
また、2018年度において精緻化した仮説に適合する事例を探求した。モジュール型製品のコストマネジメントの実態を調べるために、消防関係車両を設計・製造・販売するN社に2019年6月から7月にかけて3度インタビュー調査を行った。そこでは原価企画的なコストの作りこみはあまり重視されていなかった。とはいっても、大量生産と規模の経済を主としたコスト戦略を重視しているとも言えなかった。そこでは、顧客(地域の自治体)のニーズの多様性に適合した消防関係車両の設計・製造を重視し、コスト低減が重視されているわけではなかった。さらなる調査が必要であるがこの観察結果から、製品の製造・設計においてコストマネジメントの重要性の程度が異なることがわかった。この点を考えながらアンケート調査の質問票を作成する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2018年度に、既存の実態調査・事例研究を分析して、原価企画が適合する製品の特性とコモディティ製品の特性との違いを研究した。その成果を英語論文に完成させた。また、導出した仮説を実証的に分析するための質問票の設計もおおむね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

これまでに導出した原価企画の有効性に関する仮説を実証的に分析するために、本年度は質問票調査あるいは企業への聞き取り調査を行いたい。特に2018年度に導出した以下の仮説を実証する予定である。(1)原価企画は、顧客から評価される増分機能を提供する差別化した製品に価値を付加するときに効果的だったアプローチである。(2)これとは対照的に、コモディティ化した製品は、競合他社と同じ機能、性能、および品質を生み出す製品に対してより安い価格を提供するというアプローチである。(3)原価企画は、生産サイクルの上流で消費者に付加価値を提供するコスト戦略を中心とするが、コモディティ化した製品は、大量生産と規模の経済を主としたコスト戦略が重要になる。

次年度使用額が生じた理由

2019年度に実施予定であった質問票調査と海外学会への参加を2020年度に延期したことが主な理由である。2020年度に実施予定の質問票調査に関連する費用やわが国企業を対象としたフォローアップインタビュー調査さらに海外学会での報告のために差額分を充当する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Target Cost Management was Japan’s Force: What happened2019

    • 著者名/発表者名
      SHIMIZU NOBUMASA
    • 雑誌名

      China Management Accounting Review

      巻: 9(3) ページ: 114-121

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公開日: 2021-01-27  

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