本研究においては、海外で問題となった企業グループの財務諸表監査の品質管理の現状を把握し、国際監査・保証業務基準審議会(IAASB)の基準改訂の方向と内容を検証するとともに、わが国へのIAASB改訂基準の影響を明らかにし、わが国監査基準改訂に貢献することを目的にした研究である。 監査の品質管理に関する研究は、監査人個人単位、監査チーム単位、事務所単位で行なわれてきた。本研究では、2008年金融危機時の多国間に跨る企業グループの財務諸表監査において、実際にどのような品質管理が監査事務所の属するグローバル・ネットワークによって実施されているのか、を明らかにした。
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