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2019 年度 実施状況報告書

マイノリティの社会運動と政策イシュー形成過程の領域横断比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K01975
研究機関早稲田大学

研究代表者

岡部 耕典  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90460055)

研究分担者 飯野 由里子  東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (10466865)
熱田 敬子  早稲田大学, 文学学術院, 講師(任期付) (20612071)
堅田 香緒里  法政大学, 社会学部, 准教授 (40523999)
関水 徹平  立正大学, 社会福祉学部, 准教授 (40547634)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードマイノリティの社会運動 / 東アジア / 包括的な差別解消 / 性暴力 / 自立生活 / 若者支援
研究実績の概要

【障害・クィア班】①本年度の各班合同研究の核となる韓国・ソウルにおける障害、ジェンダー・セクシュアリティの領域の社会運動がおかれた全体的状況の把握と領域横断的な連帯・連携の状況にかんする研究班合同調査(以下ソウル調査、8/27~8/29)をジェンダー・セクシュアリティ班と共に企画・主宰し、その予備研究として②ソウル自立生活センター代表の朴賛五氏及び大野眞理氏に韓国の障害当事者運動の現状と課題に対する事前ヒアリングを行った(5/17)。並行して③合理的配慮と「社会モデル」の関係及び障害女性の性をめぐる研究(飯野)及び④知的障害者の自立生活支援の実践と運動のフィールドワーク(岡部)を行った。
【ジェンダー・セクシュアリティ班】①研究会:性分化疾患と医療化の問題(タイトル「インターセックスとDSDs」)を香港のDr.スモール氏を招いて開催。(4/26)②韓国プレ調査報告会(永山報告・5/27)、ソウル調査(永山8/24-26)(熱田・永山8/27―29)では、他班のメンバーと共に、水曜デモ、戦争と女性の人権博物館、10代女性人権センター、韓国性暴力相談所などを見学・討論し、韓国の市民運動団体に支援をしている財団関係者と議論を行った。③国際シンポジウム 3/15に「ローカルとグローバルをつなぐ日本軍戦時性暴力被害者支援」の企画・運営をしていたが、COVID-19の影響で、オンライン研究会へ変更・開催した。
【若者・貧困班】①京都の若者支援団体を3か所視察し、ヒアリングを行った(6/8-9)。立命館大学・山本耕平教授より韓国若者支援について知見を提供いただいた。②ソウル調査(8/29)では、青年活動支援部局・団体を3か所訪問し、ヒアリングを実施した。また、③ひきこもり経験者2名へのヒアリングをおこなった(8/13)。①~③を踏まえて、④研究会を開催し、研究成果を報告・検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の各班合同研究の核となる韓国・ソウルにおける障害、ジェンダー・セクシュアリティの領域の社会運動がおかれた全体的状況の把握と領域横断的な連帯・連携の状況にかんする研究班合同調査を行い、包括的な差別解消をめぐる運動と政策の領域・地域横断的状況について一定の知見を得ることができた。また、各班の研究分担者・研究協力者もそれぞれの領域における意欲的な研究を進め、成果をあげた。さらに最終年度の研究のとりまとめに対して「性暴力」という新たな視角を獲得することができた。
他方、各班ごとの視角と研究成果をクロスさせつつ領域横断的な研究を遂行することに対して若干の課題を残した。また、ソウル調査において当初予定していたセクシュアルマイノリティの領域の団体訪問が叶わなかった。

今後の研究の推進方策

最終年度は3年間の成果をとりまとめ発信するために、①これまでの研究を補完する各研究班主催の研究会の開催②学会等における成果報告③期末の研究報告書の作成を予定している。また、前年度において課題となった各班ごとの視角と研究成果をクロスさせた領域横断的な研究の遂行については、研究会議の開催とともにインテンシブな研究会議を開催することで、積み残しとなった韓国のセクシュアルマイノリティ領域の調査については研究会において研究協力者からリソースの提供を受けることで補完する方針である。

次年度使用額が生じた理由

8月の合同調査費用の予算超過分と期首では予定になかった年度末の国際シンポジウムの開催(共催)のために最終年度の研究代表者予算の前倒し請求を行ったが、新型コロナによる年度末シンポジウムの中止(縮小して遠隔講演会を開催)及び分担研究者の経費使用計画の遅れから当該の次年度使用額が生じた。
繰越額については、中止となった年度末シンポジウムの代替のために最終年度の研究会を質・量ともに充実させること(海外から講演者を招く会を設ける、回数も増やす)及び分担研究者が昨年から繰越された経費使用計画の遅れを着実に取り戻すことにより使用する予定である。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 図書 (3件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 「省略」に抗う--障害者の性の権利と交差性2020

    • 著者名/発表者名
      飯野由里子
    • 雑誌名

      思想

      巻: 1151 ページ: 52-69

  • [雑誌論文] 障害に”根ざして”考える? ――当事者の/としての〈親〉2020

    • 著者名/発表者名
      岡部耕典
    • 雑誌名

      福音と世界

      巻: 75 (2) ページ: 6-11

  • [雑誌論文] 貧者をめぐる「再分配」と「承認」の現代的諸相:「社会的な居場所」と「自立支援 」を通して考える2020

    • 著者名/発表者名
      堅田香緒里
    • 雑誌名

      医療福祉政策研究

      巻: 3-1 ページ: 21-28

    • 査読あり
  • [雑誌論文] [思いやり]を超えて--合理的配慮に関わるコンプライアンスの新たな理解2019

    • 著者名/発表者名
      飯野由里子
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 47-13 ページ: 153-162

  • [雑誌論文] トランスジェンダー差別がフェミニズムの問題でもある理由2019

    • 著者名/発表者名
      飯野由里子
    • 雑誌名

      女たちの21世紀

      巻: 98 ページ: 37-40

  • [雑誌論文] 障害者」と/のシティズンシップ ――排除と周辺化のメカニズム2019

    • 著者名/発表者名
      岡部耕典
    • 雑誌名

      福祉社会学研究

      巻: 19 ページ: 58-66

  • [雑誌論文] 「開発主義」の再興 : 「人材への投資」と「福祉給付の削減」2019

    • 著者名/発表者名
      堅田香緒里
    • 雑誌名

      社会福祉研究

      巻: 134 ページ: 98-102

  • [雑誌論文] 女性の貧困とネオリベラリズム2019

    • 著者名/発表者名
      堅田香緒里
    • 雑誌名

      福音と世界

      巻: 74(12) ページ: 12-17

  • [学会発表] インターセクショナリティの視点で見る日本帝国体制下の戦時性暴力問題(1) 個 別性と普遍性の間・中国の日本軍戦時性暴力被害女性の名乗り出と対日訴訟2019

    • 著者名/発表者名
      熱田敬子
    • 学会等名
      日本社会学会
  • [学会発表] 東アジアの第3波フェミニズムの核心ー日本軍性暴力被害(「慰安婦」)/性奴隷問題支援運動 ー2019

    • 著者名/発表者名
      永山聡子
    • 学会等名
      カルチュアルスタディーズ学会
  • [学会発表] 東アジアにおける第3波フェミニズムの核心―日本軍性奴隷制解決運動を事例に2019

    • 著者名/発表者名
      梁,・永山聡子
    • 学会等名
      東京大学 ・社会の芸術フォーラム(AMSEA)
  • [学会発表] インターセクショナリティの視点で見る日本帝国体制下の戦時性暴力問題(3)─歴史としての他者 の痛みから、自分たちの生/性の問題へ2019

    • 著者名/発表者名
      永山聡子
    • 学会等名
      日本社会学会
  • [学会発表] 「多様な家族」から「婚姻平等」へ:台湾における同性婚法制化をめぐるポリティクス2019

    • 著者名/発表者名
      福永玄弥
    • 学会等名
      国際ジェンダー学会
  • [図書] 「民意」と政治的態度の作られ方2020

    • 著者名/発表者名
      堅田香緒里(分担執筆)
    • 総ページ数
      144
    • 出版者
      太田出版
  • [図書] 「若者/支援 」を読み解くブックガイド2020

    • 著者名/発表者名
      関水徹平、阿比留久美(分担執筆)
    • 総ページ数
      197
    • 出版者
      かもがわ出版
  • [図書] クィア・スタディーズをひらく 1 --アイデンティティ、コミュニティ 、スペース2019

    • 著者名/発表者名
      飯野由里子(共編著)
    • 総ページ数
      262
    • 出版者
      晃洋書房
  • [備考]

    • URL

      https://jig-jig.com/serialization/fukunaga-quaia-activism/fukunaga01/

  • [備考]

    • URL

      http://m.ildaro.com/8604

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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