研究課題/領域番号 |
18K01976
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
店田 廣文 早稲田大学, 人間科学学術院, 名誉教授 (20197502)
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研究分担者 |
小島 宏 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90344241)
小野 亮介 早稲田大学, 人間科学学術院, その他(招聘研究員) (00804527)
岡井 宏文 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 講師 (10704843)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ムスリム / 地域社会 / 多文化共生 / イスラム / 在日外国人 / 宗教 / 社会統合 |
研究実績の概要 |
コロナ禍の影響をうけて、予定していたフィールド調査(地方自治体の多文化共生政策に関するヒアリング調査)やそれに基づく研究成果のとりまとめ作業はほとんど実施出来なかった。したがって研究実績は、このような環境下で可能な範囲のものに限られることとなった。
一方で、代表者や分担者は、オンラインの研究会や学会大会への参加や、オンラインの研究会や学会での発表などを行ったほか、主に代表者は、新聞やテレビなどからの、国内のイスラム教徒関係の取材に対する対応を実施した。今年度の取材の内容で目立ったものを取りあげると、大分県におけるイスラム霊園建設計画とそれに対する住民の反対運動に関するもの、および、佐賀県における高校模試問題におけるイスラム教徒とテロリストを関連づけた出題に関するものがあった。前者については、まだ解決の目途が立っておらず、現在でも、これに関する取材や報道は続いている。後者については、文科大臣からのコメントも出るなど全国的にも報じられたが、その後、行政や教育関係者による今後のイスラム・ムスリム関係の対応が確認されて、一応、沈静化したと思われる。また、佐賀県の国際交流協会では,その後、イスラムに関するオンライン講座の企画が行われ、ある程度の一般参加者が見られた(代表者も一部の回に参加した)。
結果として、研究実績として以下に挙げられたのは、オンラインでの学会報告と学術論文、および報告書である。ここには、記載されなかったが、上記に述べたように、その他のオンライン研究会での報告も代表者、分担者、それぞれで実施され、翌年度の研究の実施に寄与できるものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により、調査研究、とりわけフィールド調査の全面的な実施が困難となったため。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の収束の行方次第であるが、フィールド調査の実施及びその成果のとりまとめ、従来のデータの更新作業などによるこれまでの研究成果の更新を目指したい。なお、フィールド調査が可能となった場合には、地方自治体の多文化共生施策の現状に関する調査を主に実施する予定である。
一方で、コロナ禍の収束が遅れた場合には、以下の研究を予定する。2009年より実施してきた全国モスク代表者会議の議事録が、各年度ごとの報告書として残っている。それらを改めて、整理・再構成して、一冊の報告書として、在日ムスリムの意識や活動の変遷を平成の時代の記録として、作成することを予定したい。いずにしても、コロナ禍の状況によるが、8月頃にはいずれかに方針を決めて、本研究計画のまとめを行うこととする。
なお研究そのものではないが、本研究に関連したウェブページ「早稲田大学滞日ムスリム調査プロジェクト」を運営している。開設後、10年以上経過したので、内容を一新して、新たなウェブページとして、再出発させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、研究計画全般が実施出来なかったことが理由である。
コロナ禍の収束如何によるが、使用計画の大きな柱として、フィールド調査研究にともなう旅費等の支出、および、研究参考資料の購入、これまでのモスク代表者会議をとりまとめた新規報告書の作成、ウェブページの新規作成・更新費用などを予定している。
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備考 |
2021年度中に、新たなウェブページとして新規作成・更新する予定である。
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