研究課題
基盤研究(C)
本研究は、医療化が進展する社会において、美容を目的とした医療(美容外科手術、およびメスを使わない美容医療)の実態を調査したものである。方法は、アンケート調査、インタビュー調査、メディアの内容分析(テキストマイニング)、文献調査を組み合わせ、多角的な混合研究法を用いた。その結果、クライアントの内面だけではなく、クライアント同士の人間関係、医者とクライアントの関係、医者同士の関係をも明らかにし、美容目的の医療の社会的意味とそのメカニズムをも明らかにした。
社会学
本研究の意義は、第一に、社会学をはじめこれまで看過されてきた美容整形という社会的な事柄を明らかにし、日本における美容の医療に対する希少な実証・調査研究であることだ。第二に、社会学のみならず、医学、情報学、心理学、哲学などとも連携し、学際的な研究であることも挙げられる。美容整形をめぐって、単純な批判論に陥ることなく、社会における「人々の内面」「人々の関係」および「社会的要因」を明らかにした数少ない多角的・包括的な研究であるといえる。