研究課題/領域番号 |
18K01984
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 哲彦 関西学院大学, 社会学部, 教授 (20295116)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 逸脱 / 逸脱論 / 薬物政策 / 薬物使用 / 逸脱当事者活動 / PUD / PWUD / 脱逸脱 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、わが国では全く知られていないがすでに世界各地に設立されている、現役の薬物使用者たちによる組織の活動の分析を通して、逸脱者とされる当事者の活動によって逸脱・社会問題の解決を目指す施策の社会学的含意を明らかにすることである。そこで、世界各地のPWUDによる活動をその代表的なものとして取り上げ、それを可能にした社会的文脈と併せて記述し、薬物問題を現実的・実践的に解決する活動を組織可能にした仕組みとその含意について社会学的に考察した。その結果、従来逸脱研究に暗黙に持ちこまれていた国家と社会の混同の問題など、社会の境界とそのメンバーシップという観点における思考の重要性が指摘された。
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自由記述の分野 |
社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1970年代まで世界的に隆盛を誇った逸脱の社会学は、今日すでに衰退し、犯罪学に取って代わられたなどと論じられている。しかし実際には、その領域がこれまで果たしてきた機能やその学術的価値が犯罪学によって代替されているわけではない。犯罪学は社会を枠組とした思考ではないからである。そこで、本研究では、国際的にはますます大きな動きとなっている薬物使用者の当事者活動としてPeople Who Use Drugsの活動を記述することで、国際的なその潮流を日本に紹介するという実践的な貢献とともに、逸脱の社会学の国際的な研究文脈においても新たな逸脱研究の視角を持ちこむという大きな貢献を行った。
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