研究実績の概要 |
2016年4月に発災した熊本地震では、約4年が経過した2020年3月末に、漸く熊本県内の災害公営住宅の整備が完了したが(12市町村、68団地・1,715戸)、個別の住宅再建の遅れによって、現在も2,000人以上が応急仮設住宅等で生活を続けており、避難生活の長期化や、集約化が進む仮設住宅におけるコミュニティの維持が大きな課題となっている。 今年度は、被災地における高齢者支援の現況を明らかにするため、甚大被災自治体の熊本県A村で、社会福祉協議会・民生委員児童委員協議会・地域支え合いセンター等を対象とした調査データの考察を進めた。特に、様々な困難を抱えた高齢者を行政・専門機関へつなぎ、見守り・相談等の支援を継続的に担っている生活支援相談員の活動に焦点を当て、近年の災害研究で注目されているCBDRM(コミュニティベースの災害リスク管理)のプロセスの一環として分析した。さらに、A村周辺自治体で、行政・被災者支援団体等を対象とする追加調査を実施し、比較検討を進めた。
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