研究課題/領域番号 |
18K01994
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
中澤 高師 静岡大学, 情報学部, 准教授 (50723433)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 原子力発電所 / 地元合意 / 県民投票 / ミニパブリクス / 熟議 / 協力金 |
研究実績の概要 |
主に浜岡原子力発電所佐倉地区対策協議会(佐対協)に注目しながら、浜岡原子力発電所と地元合意について、立教大学共生社会研究センター所蔵の浜岡原子力発電所関連資料と関係者への聞き取り調査によって明らかにした。 浜岡原子力発電所(浜岡原発)は御前崎市(旧浜岡町)の佐倉地区に立地しており、佐倉は「地元の中の地元」として、増設を中心とした地元同意のプロセスと、それに伴う協力金や地域開発関連予算の配分において特別な位置を占めてきた。3号機増設の交渉過程では、佐対協は中部電力から敷地造成の迷惑料として6億円、着工条件として7億4千万円を協力金として引き出している。4号機増設をめぐっても、「特殊性と感謝」や地域振興協力金の名目で、佐対協は約9億円を受入れている。 当該年度は特に佐対協の協力金の使途に注目し、総会資料の決算報告を中心として設立から平成元年までの使途について整理した。結果、公共事業地元負担金、潰地上乗金、各種補助金と調査費及工事費、小土木事業、環境整備及コミュニティ事業、役員報酬と費用弁償、下水道事業、「地主への感謝の気持」まで様々な形で使用され、佐倉地域に還元されていることが明らかになった。特に下水道関連事業は佐対協にとって一大事業であり支出額も大きいことから、2020年度は下水道事業を中心に90年代から現在までの支出についても整理し、分析を進める予定である。 浜岡原発再稼働と地元合意をテーマとしたミニパブリクス型熟議実験については、2月の実施を目指して準備をしていたが、新型コロナウィルス問題が調査票調査に大きな影響を及ぼすことが想定されたため、2020年度に延期した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
浜岡原子力発電所佐倉地区対策協議会についての研究は計画通り進行した。しかし、浜岡原発再稼働と地元合意をテーマとしたミニパブリクス型熟議実験については、実施計画時期が後ろ倒しになった結果、新型コロナウィルスの大流行と重なってしまい延期せざるをえなかった。
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今後の研究の推進方策 |
浜岡原子力発電所佐倉地区対策協議会については、特に佐対協にとって一大事業であり支出額も大きい下水道関連事業を中心として、90年代から現在までの支出についても整理し、分析を進める予定である。 浜岡原発再稼働と地元合意をテーマとしたミニパブリクス型熟議実験については、新型コロナウィルスの状況を注視しつつ、調査票設計の見直しを含む実施計画の調整をし、2020年度中の実施を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
浜岡原発再稼働と地元合意をテーマとしたミニパブリクス型熟議実験については、実施計画時期が後ろ倒しになった結果、新型コロナウィルスの大流行と重なってしまい延期せざるをえなかったため。新型コロナウィルスの状況を注視しつつ、調査票設計の見直しを含む実施計画の調整をし、2020年度中の実施を目指す。
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