本研究は、インフラの縮小と人口の縮小の悪循環のプロセスの存在を確認するとともに、そうしたプロセスがどういう条件の下に、どんな形で表れるのかを解明することを目的にしたものである。本研究ではとくに次世代再生産に深く関わる過疎化地域の小学校統合を題材に行ない、また同時並行で大規模開発や原発事故被災地のその後の状況などを検討した。問題の核心は、そもそもこの中で生じている少子化にある。日本社会の止まらない少子化が一体どのような形で生じてきたのか、それがどこで止まるのかの解明が急務であり、学校統廃合も、インフラ問題も、この問いの究明がなされない限りさらなる議論を進めることはできないという結論に至った。
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