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本研究の目的は、文化政策の進展を背景に各地に広がった、多様なアクターによって成り立つ「アートプロジェクト」を支える人々の、(1)労働実態とキャリア形成のプロセスをインタヴュー調査によって明らかにし、(2)現場に即した持続可能な文化政策のあり方を提示するとともに、(3)これら現代の芸術生産にかかわる労働者の視点から「芸術生産の社会学」を展開させることにある。 本年度は日本のアートプロジェクト、文化政策、労働、ジェンダーに関する文献と資料の収集を行うとともに、豊田市、兵庫県といった公立美術館での企画展示に赴き、労働や震災といった社会とかかわるアートの実践や施設の取り組みについて資料収集と調査を進めた。また国家的イベントの近づく大阪の文化施設やまちなかのアートの現地調査を行った。 こうした現代のアートプロジェクト、文化事業における働き方やキャリア形成の課題、またそこからあらわになる日本社会のジェンダー構造に関する研究活動の成果は、公立美術館でのレクチャーとワークショップ、アーティストグループの勉強会やシンポジウム、美術大学の学生イベントといったさまざまな機会をえて公表することができた。そこでは多様な立場の参加者と課題を共有し、それぞれが対処する方法やそこでの困難などについて話し合った。また労働者のシンクタンクである連合総研の機関紙に、「芸術生産」という視点での論文を公表する機会をえた。 研究期間全体をふりかえると、研究目的の(1)労働実態とキャリア形成のプロセスと(2)持続可能な文化政策の方向性に関する研究が進展し、その成果をさまざまな機会で公表できたほか、(3)芸術生産の社会学を展開する基礎となる資料を蓄積できた。
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