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2023 年度 実績報告書

EUの循環移民政策と移住労働者の国籍変更戦略-イタリアの東欧出身者を事例として

研究課題

研究課題/領域番号 18K02011
研究機関和光大学

研究代表者

中力 えり  和光大学, 現代人間学部, 教授 (50386520)

研究分担者 定松 文  恵泉女学園大学, 人間社会学部, 教授 (40282892)
中島 崇文  学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (90386798)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード移住労働者 / 循環移民 / 国籍 / 家事労働 / モルドヴァ / EU
研究実績の概要

今年度は、2023年9月にイタリアのボローニャで、研究代表者と研究分担者全員で現地調査を行った。2024年2月には研究分担者の中島が、ジュネーブのILO本部でコロナ禍の女性への影響について聞き取り調査を行った。
ボローニャでの調査では、主にモルドヴァ出身の神父がいるルーマニア正教会に集うモルドヴァ出身者に対して聞き取り調査を実施した。今回の調査では、日帰りの巡礼にも同行して、参加者に対しての聞き取り調査と参与観察を行うことができた。神父やその妻、そして1.5世代の若者が次世代育成のために結成した団体の代表にも聞き取りを行った。その結果、教会が中心となってモルドヴァ出身の移住者たちの行政手続きを手伝ったり、精神面も含め、安定した暮らしが営めるようにさまざまな支援を行ったりしていることが確認できた。
送り出し国であるモルドヴァで2018年度に実施した調査では、移住に伴う負の側面が語られることが多かった。しかし2023年度の受け入れ国であるイタリアでの調査では、長期間滞在し、家を購入するなど安定した生活を送り、家族統合も果たしている移住者が、移住に伴う苦労だけでなく、正の側面を強調する様子も多くみられた。国籍については、ルーマニア国籍を取得している人が実際多くいること、さらにはイタリア国籍を取得した(しようとしている)人が複数いることも確認できた。子の世代では、大学を卒業し、他のEU諸国に移住して、滞在国の国籍取得を目指している人もいた。
本研究では、コロナ禍の影響で現地調査を毎年のようには実施できなかったが、ビデオ会議システムを使用した研究会で、日本だけでなくモルドヴァからも専門的な知識の提供を得ることができ、最新の状況などについて知見を深めることができた。本研究の成果は、学習院女子大学国際学研究所で2024年1月に開催されたセミナー(「越境するヨーロッパの人々」)で報告した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 国際移動と移民による国籍取得ーEU諸国における状況2024

    • 著者名/発表者名
      中力 えり
    • 雑誌名

      和光大学現代人間学部紀要

      巻: 17 ページ: 265-274

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] EUにおける人の移動と国籍取得の実態2024

    • 著者名/発表者名
      中力 えり
    • 学会等名
      学習院女子大学国際学研究所主催セミナー「越境するヨーロッパの人々」
  • [学会発表] トランスナショナル家族の分離と再統合―モルドヴァ出身者の事例から―2024

    • 著者名/発表者名
      定松 文
    • 学会等名
      学習院女子大学国際学研究所主催セミナー「越境するヨーロッパの人々」
  • [学会発表] 日本における介護・家事移住労働者の包括的把握の意義と就労の傾向―2022 年度調査からの知見2023

    • 著者名/発表者名
      定松 文
    • 学会等名
      国際ジェンダー学会
    • 国際学会
  • [図書] 岩波講座 社会学 第3巻 宗教・エスニシティ2023

    • 著者名/発表者名
      岸政彦、稲場圭信、丹野清人編
    • 総ページ数
      290
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2024-12-25  

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