研究課題/領域番号 |
18K02012
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
長谷 正人 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40208476)
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研究分担者 |
菊池 哲彦 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (10419252)
前川 修 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (20300254)
加藤 裕治 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (20633861)
川崎 佳哉 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (50801792)
松谷 容作 國學院大學, 文学部, 准教授 (60628478)
大久保 遼 愛知大学, 文学部, 助教 (60713279)
増田 展大 立命館大学, 映像学部, 講師 (70726364)
角田 隆一 横浜市立大学, 国際総合科学部(八景キャンパス), 准教授 (80631978)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | メディア文化 / ドローン / 孤独 |
研究実績の概要 |
本年度は計画通り、メディア文化の先行研究を選び出し、それらを「孤独」という視点を手掛かりに読み直していく研究会を数回にわたって行った。第1回(4月28日)に、研究計画全体を立てる会合を開催した以外に、4回の会合を開催して様々な文献を検討した。第2回(6月30日)は、現在隆盛するセルフィー文化を分析した、Paul Frosh"The Gestural Image: The Selfie, Photography Theory, and Kinesthetic Sociability",International Journal of Communication, Vol 9(2015)pp.1607-1628.を、第3回(9月1日)は、テクノロジーに管理された現代社会を批判するジョナサン・クレーリー(岡田温司監訳・石谷治寛訳)『24/7 眠らない社会』NTT出版を、第4回(12月1日)は、イラク戦争などに利用されたドローン兵器を分析した、Roger Stahl "Drone Vision" in Through the Crosshairs War, Visual Culture, and the Weaponized Gaze,Rutgers University Press, 2018, pp.67-93を、第5回(3月16日)には、そのドローン兵器の視覚性をホッブスの主権論の倫理学的混乱として論じた、グレゴワール・シャマユー(渡名喜庸哲訳)『ドローンの哲学:遠隔テクノロジーと<無人化>する戦争』明石書店、2018年を検討した。 いずれの文献も、現代の視覚文化を、下部構造としてのネットワーク・システムによって「孤独」な個人が生産される状況として読み解くものであり、私たちの「孤独」なメディア文化の解明に寄与するための準備作業として刺激的であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最初に立てた研究計画においては、研究1年目は、メディア文化に関する先行研究を再検討することによって、研究参加者たちの「メディア」と「孤独」に関する問題意識を共有することを目的としていたので、その計画はある程度達成できたと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
最初の年度の会合においては、研究代表者・長谷正人による報告がなかったため、いささかの不充足感があったため、次年度はまず研究代表者自らが研究報告をして「メディア」と「孤独」についての議論をさらに深める予定である。そのあとは計画通り、研究分担者が順次様々なメディア文化の問題を報告していくことで、より議論が深まり、ユニークな研究ができると思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
1,357円という僅かな金額を残したが、次年度の物品費において使用する計画である。
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