2006年に制定された改正貸金業法(以下、法)の背景・経緯・影響を、法に関わる7つの界(立法界・行政界・司法界・経済界・学界・メディア界・支援実務者界)の相互関係に着目して考察した。とくに法制定の立役者とされる支援実務者界がいかなる論理、力学のもとに形成され、さらに変容していったかを、公開資料、未公開資料、関係者の証言等に基づき明らかにした。法の影響は日本国内にとどまらず他のアジア社会におよぶ。本研究は、日本の経験が韓国、台湾でどう受容されたかを考察することで、日本の経験の歴史的条件とともに他のアジア社会への応用可能性を探るための論点、概念、視座を得た。
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