研究課題/領域番号 |
18K02021
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研究機関 | 沖縄大学 |
研究代表者 |
宮城 能彦 沖縄大学, 人文学部, 教授 (40229810)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 共同売店 / 共同体 / 近世沖縄村落 / 近代沖縄村落 / 共同体の現在 |
研究実績の概要 |
今年度は、体調不良が続き、計画通りの調査研究はできなかったが、既に集めてあった文献資料を整理し、テキスト化して、読み込むことができた。 手書きで残されていた、共同売店関連の議事録、理事会の議事録、部落常会の議事録、部落役員会の議事録を既に入手してあるので、それらの一部をテキスト化するこができた。分量としては、A4 サイズの200頁ほどである。 テキストデータ化できたのは、次の3冊分である。①奥共同店議事録(昭和26・1951年~昭和27・1952年)、②共同売店貸付金調べ(大正9年~昭和5年)、③貸付金証書切替明細(昭和2年~3年)④奥共同店議事録(昭和17・1942年~昭和22・1947年)特に④については、戦前から戦中山の中に避難していら時期、そして米軍へ投降して以降の貴重な記録である。戦争によって壊滅した共同店が、どのように復活できたかが記録されており、県内では未だたの地域では発見されていない。なお、これらの一部は既に書籍等に掲載されているところもあるが、誤読・誤植が多いために、今回は原本を基に精査を行った。 これらは、沖縄語だけでなく、奥集落独特の言葉が時折使われており、それをまとめて地元の人に問い合わせなければならない。そのために、かなりの時間を要した。 後半、奥集落に置いてあらたな資料を発掘することができた。しかし、明治後期から残っている紙の資料は劣化が酷く、まずは保存するための作業が必要であった。その作業はまだ時間がかかりそうである。現在それらを整理して目録を作成している最中である。 なお、これまでの研究成果(中間報告)を論文として、2020年の夏ごろに発刊することを計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度当初において体調を壊して休職するなど、調査研究に専念することができなかった。 ただし、既に収集してあった文献については読み込みを行うことができた。また、年度終わりには体調も恢復し、国頭村奥への文書記録調査等を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度においては、前年度に遅れた分を取り戻すために、前半は調査を精力的に行う。 明治に登場した共同売店の理念が、現在どのように受け継がれ、共同体の中でどのように機能しているかについて、奥や沖縄・奄美の調査を行う。 比較のために、他県も調査する予定である。 また、国立公文書館等の資料を探査し、新しい資料の発掘を目指す。 10月より研究のまとめを行い、報告書を作成する予定である。2020年度においては報告書にとどまるが、翌年は出版したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は体調を壊し、病気療養などによって大学も休職するなど計画通りの調査が行えず、また人件費・謝金も使うことができなかった。現在は体調も回復し、調査研究を行うことには問題はない。 2020年度の前半は2019年度に予定していた調査の全てを行う計画である。当初2020年度に予定していた調査は夏以降に行う予定である。 人件費・謝金については、8月9月の夏休みを利用して、集中的に資料整理・入力作業を行い執行する予定である。 研究の遅れについては、十分に取り戻せると考えている。
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