沖縄共同体の基盤は近世の琉球王府時代をその根底にもちながらも、むしろ近代における時代への対応の変化のなかで築いてきた要素が大きいのではないかという本研究の研究動機および仮説を検証した。 本研究の成果は、近世琉球村落において共同体の基盤となる生産性が極めて低いこと、そのために近代的共同体とはかなり異なる「共同体」であったことがある程度明確となったことである。すなわち、近代以降のいわゆる「ゆいまーる」に代表されるような協同労働や相互扶助的なものとはかなり異なり、むしろ協同といえるレベルではなかったのである。
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