研究課題/領域番号 |
18K02028
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
北仲 千里 広島大学, ハラスメント相談室, 准教授 (60467785)
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研究分担者 |
横山 美栄子 広島大学, ハラスメント相談室, 教授 (50259660)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アカデミック・ハラスメント / 研究倫理 / 研究組織 |
研究実績の概要 |
2019年度は、以下の点について研究の進展があったが、研究成果の公表にまでは至っていない。1)調査対象となる全国すべての国公立大学医学部歯学部の教員のサンプリングを行ったが、医学部では独自の職名が多く(「診療准教授」など)、また大学によっても異なることがわかった。関係者に聞き取り調査をし、その意味の確定を進めた。一部の大学については今後、直接問い合わせをする必要があることがわかった。2)これまで、本研究と比較対象できるような欧米圏での研究分野におけるアカデミック・ハラスメント(セクシュアル・ハラスメント以外のハラスメント)についての論文や著作があまり見つからなかったが、Academic Bullyingとしてバイオメディカル分野においても実態調査がなされていることがわかった。(Morteza Mahmoudi,2020,Scienceなど)しかし、論者がバイオメディカル研究者であるため、その研究者の国(アメリカなど)以外の国でのいわゆるパワー・ハラスメントの法規制についての情報がないままに、「法律がない」ものとして論じられている(アメリカでは人種や性差別、それと関連するセクシュアル・ハラスメント以外の法規制はないが、ヨーロッパではあるし、昨今ILOでグローバルスタンダードが確立されているにもかかわらず)ため、被害の実態としての比較参照はできるが、社会組織構造としての先行調査にはなっていない。また、職場いじめ(Workplace Bullying)の欧米圏での文献は心理学的アプローチで出されている傾向があるが、引き続き文献収集と検討が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1.調査対象者のサンプリングにあたり職名の把握に予定以上に時間を要していること、2.医学分野の研究者の関係性の独自性について、研究分担者やその他の協力者らと、前回調査とは異なる枠組みで調査をするべきだという結論に至り、仮説を再構築していること、3. コロナウィルス感染対策により、大学の活動が制限されているため、予定していた時期に質問票送付をすることができなくなり、送付を延期していることなどにより、調査票を送る作業を実行できていない。
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今後の研究の推進方策 |
サンプリングにあたっての職名把握、仮説の再構築、質問票の完成はすみやかに行いながら、コロナ感染予防のための大学の活動規制が撤廃され、各大学の状況になる調査票を送れるような状況になり次第、送付する。
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次年度使用額が生じた理由 |
サンプリングの再検討、仮説の再検討が生じ調査票を発送するまでの作業が予定よりも遅れた上に、またコロナウィルス感染予防のために大学の活動が制限されたため、大学教員を対象とする調査票を発送することを中断したため、印刷代・郵送費が翌年度に持ち越しとなった。
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