| 研究課題/領域番号 |
18K02029
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| 研究機関 | 山口大学 |
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研究代表者 |
横田 尚俊 山口大学, 人文学部, 教授 (10240194)
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| 研究分担者 |
山下 亜紀子 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (40442438)
速水 聖子 山口大学, 人文学部, 教授 (90271098)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 東日本大震災 / 避難者支援 / 避難当事者団体 / 避難の長期化 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は、まず、東日本大震災における広域避難者と避難者支援に関する先行研究を、社会学分野を中心に整理するとともに、西日本（広島、宮崎）で展開されている避難者団体をとりあげ、時系列的な活動の展開および機能変容を明らかにするために聞き取り調査を実施した。
広島市を拠点とする避難当事者団体については、その形成と活動展開の過程をたどるとともに、団体側の協力を得て、構成メンバー（避難当事者）の生活記録を収集し、当初の予定通り、調査報告書をとりまとめた。この団体は、避難当事者の相互支援、交流活動を維持しつつ、地元ボランティア団体やNPOと新たなパートナーシップ関係を結び、地元広島市における土砂災害、豪雨災害におけるボランティア活動に参加するなど、地域の市民活動団体としての機能を強めていることが明らかになった。こうした機能変容は、宮崎市を拠点とする避難当事者団体においても生じており、避難当事者間の相互支援とともに、宮崎から被災地に帰還した人々への支援活動や地元地域住民との交流行事などに活動の重点をシフトさせている。
これらの事例においては、避難当事者団体と地域社会との関係が深まるとともに、活動の方向性を模索する段階へと至っているといえる。避難の長期化とともに、支援側団体の活動停止や解散・再編などが生じているが、それとともに、避難当事者団体と地域社会との新たなパートナーシップ形成なども展開されるようになってきている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、避難者団体、支援者・支援者団体調査（A調査）と避難者生活記録調査（B調査）に取り組み、調査データを整理して、２冊の報告書にまとめることができた。また、調査結果の一部を専門学会にて報告し、今後の研究課題について専門家のコメント等を得ることができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
報告書としてとりまとめた調査データの分析を実施して、団体構成メンバーの生活選択過程と避難当事者団体の機能、組織構造（の変容）との関係について考察する必要がある。また、福島への帰還者調査も一部、実施したが、これらの調査データの整理・分析も併せて実施していく。
広島、宮崎以外の西日本の避難当事者団体にも調査を広げ、複数の事例を比較して、避難当事者と支援者との関係について類型化を試みるべく、調査研究のさらなる進捗を計っていく。
同時に、全国的な避難者団体ネットワークの展開・変容過程についても調査を行い、それらが西日本の避難当事者団体のありようにどのような影響を及ぼしているかについても解明していく。
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| 備考 |
山口大学人文学部社会学コース編『災害からの避難当事者による相互支援に関する研究～ひろしま避難者の会アスチカのあゆみ～』山口大学人文学部社会学研究室、2019年3月
九州大学文学部社会学・地域福祉社会学研究室編『東日本大震災における行政・NPO・地域ネットワークにおける支援の現状』同研究室、2019年3月
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