日本の公的言論において「新自由主義」という語句が何を意味し、何を指示してきたかを、図書と逐次刊行物記事のタイトルのテキストマイニングにより考察した。その結果、主に以下の4点が判明した。1)20世紀の「新自由主義」には、少なくとも5通りの異なる概念が存在した。2)20世紀後半を通じて最も頻繁に言及されたのはニューリベラリズムとオルド自由主義だった。3)21世紀に入り、突然、新自由主義はもっぱらポスト・ケインズ新自由主義と同一視されるようになった。4)2000年代後半、新自由主義の出現が顕著に増大したが、その主要因はもっぱらハーヴェイとフーコーの翻訳紹介だった。
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