研究課題/領域番号 |
18K02033
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
山本 薫子 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (70335777)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 低所得地域 / ジェントリフィケーション / エスニックマイノリティ / カナダ / 貧困 / ホームレス / バンクーバー / 日系人 |
研究実績の概要 |
2020年からの新型コロナウィルスの世界的な感染拡大を受けて、2020年度に続き2021年度も現地調査が実施できなかった。本来は最終年度であり、2018年度(サバティカル期間であったため8ヶ月間にわたって現地滞在による地域調査を行った)、2019年度(9月に3週間にわたって現地調査実施)によって得たデータに関連して追加調査を実施したいと考えていたが、それがかなわず、これまでに取得したデータの整理、分析を中心に行った。調査対象地域では新型コロナウィルスの影響は大きく、特に貧困層、生活困窮層、社会資源の乏しい移民コミュニティ等への経済的、社会的打撃は大きい。こうした情勢と行政による経済支援、感染症対策、依存症対策等についてはインターネットを利用して各種データを取得した。また、調査対象地域の関係団体による、オンラインでのセミナーやイベントの開催も行われているので、これらに日本から参加して、情勢把握やデータ収集を行った。現地では、米国のBlack Lives Matter運動やアジア人差別問題、カナダでの先住民差別問題に関連した社会運動が活発化している。調査対象地域は、かつての日本人街を含み、中華街も隣接していると同時に、低所得層やホームレスには先住民や移民の比率も高い。また、近隣にかつて黒人コミュニティが存在したが道路建設に伴って解体されたという歴史を有している。こうした北米社会全体での特定のイシューに関わる社会運動の高まり、価値観の変化が調査対象地域に及ぼした影響について、オンラインでのセミナー等、文献等で一定程度の把握を行った。 2021年11月には、2021年度日本社会学会大会倫理委員会セッション(オンライン)において、2019年までの現地調査に基づく研究成果の一部を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年からの新型コロナウィルスの世界的な感染拡大を受けて、2020年度に続き2021年度も現地調査が実施できなかった。本来は最終年度であり、2018年度(サバティカル期間であったため8ヶ月間にわたって現地滞在による地域調査を行った)、2019年度(9月に3週間にわたって現地調査実施)によって得たデータに関連して追加調査を実施したいと考えていたが、それがかなわず、これまでに取得したデータの整理、分析を中心に行った。 以上のような状況があったため、2022年度に延長し、継続して研究を続ける。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度が最終年度であったが、以上のような状況があったため、2022年度に延長し継続して研究を続ける。 現時点では、2020年度、2021年度と同様、すでに入手したデータの分析を進めると同時に、オンラインで入手できるデータの収集に努める。分析作業の進行に合わせて、適宜、成果報告も行う予定である。 現地での感染状況、カナダの入国制限、日本での帰国後の待機制限などの状況を引き続き注視し、カナダ渡航が可能と判断されれば、感染予防に注意しながら現地調査を行い、データ収集を実施する。その後、収集データの分析、研究のまとめを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの世界的な感染拡大により、カナダへの渡航が困難となった。このため、現在に至るまで現地調査が実施できていないことによる。
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