研究課題/領域番号 |
18K02037
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研究機関 | 平成国際大学 |
研究代表者 |
松林 秀樹 平成国際大学, スポーツ健康学部, 准教授 (20453417)
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研究分担者 |
向山 昌利 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (10733785)
高尾 将幸 東海大学, 体育学部, 講師 (60584381)
中島 信博 東北大学, 教育学研究科, 名誉教授 (80005826)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | スポーツ・メガイベント / ラグビーワールドカップ / 災害復興とメガイベント / 地域開発・活性化 / スポーツの力 |
研究実績の概要 |
2019年度の主な計画は、①2018年度に実施した量的調査(2018年10月、岩手県釜石市民1,000人対象)の結果に基づいた学会等における報告、および②ラグビーワールドカップ(RWC)日本大会(2019年9~11月)釜石会場(9月25日および10月13日)における開催前・開催中・開催後の地域社会のメガイベント受容の内実について質的調査を実施すること、の2点であった。 ①に関しては、2019年4月に国際スポーツ社会学会(於:ニュージーランド)、2019年7月に早稲田社会学会にて報告を行った。なお、2020年3月に日本スポーツ社会学会においても報告を行う予定だった(1月にエントリー承認済み)が、新型コロナウイルスの感染拡大により2020年6月に延期となったため、現時点(2020年4月)では報告を実施していない。 ②に関しては、(1)2019年6月、(2)9月、(3)10月および(4)2020年3月に聴き取り調査・現地調査を実施した。 (1)については、試合開催予定の「釜石鵜住居復興スタジアム」の建設過程を視察し、さらに釜石市で毎年8月に開催されている「お盆野球」の関係者、市役所関係者に聴き取り調査を実施した。(2)については、9月25日の試合開催日を中心に釜石市におけるRWCの受け止め方について現地調査を実施した。(3)については、10月13日の試合予定日に台風19号の影響で試合が中止となったが、市街中心部およびスタジアム周辺に大きな被害が出たため、その復旧作業の様子を現地視察した。(4)については、釜石市の地域づくり推進課、鵜住居まちづくり協議会の委員、RWC2019推進本部事務局に対して、RWC閉幕半年後の地域社会の変化等について聴き取り調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」にも記した通り、2019年度に予定していた主要計画について、2018年度に実施した量的調査の結果をいくつかの学会等で報告することができた。またRWC開催の前・最中・後という3つの段階で質的調査を実施することができた。 学会報告については、国際学会での報告で一定の評価を得られた。また、早稲田社会学会での報告については論文として発表することができた(早稲田社会学会編『社会学年誌』第61号)。日本スポーツ社会学会での報告(2020年3月予定)は延期となってしまったものの、エントリー承認を継続の上で2020年6月に開催されることが予定されており、ここで改めて報告する予定である。 質的調査については、3つの段階について、まず開催前(約3か月前)では地域社会においてさほどの「盛り上がり」が見られなかったこと、開催中(9月および10月)ではメディアとの相互作用もあって予想以上の興味関心を集めたこと、開催後は台風19号および新型コロナウイルスの感染拡大という2つの負の要因によって「RWCをきっかけとした地域開発・活性化」という点で大きな影響があったこと、などを看取することができた。これらの結果については、2020年度に実施を計画(10月を予定)している量的調査の質問紙作成、および今後の分析・考察方針の構築において、重要な判断材料になることが期待できる。 なお、2020年10月の台風19号によるRWCの試合中止という事態は、研究計画においては想定外ではあったが、改めて「災害とスポーツ・メガイベント」という本研究の柱をなす要素について重要な示唆を得られたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、①RWC開催後の地域社会の受容過程に関する質的調査、②10月(RWC開催1年後)に量的調査の実施を計画している。 ①に関しては、これまで続けてきた調査を継続し、特にRWC開催後の大会自体の評価、および地域社会に与える効果と影響について、釜石市役所、釜石市内のまちづくり協議会、ラグビー関係者を中心に聴き取り調査を実施する予定である。②に関しては、本研究全体の計画である開催前および開催後のスポーツ・メガイベントに対する市民の評価の差異を測定するために、2018年度に実施した量的調査の質問紙を基本設計として実施する(岩手県釜石市にて、選挙人名簿に基づく無作為抽出による市民1,000名を対象、RWC閉幕1年後の2020年10月に実施予定)。ただし、これまでのさまざまな調査によって明らかになってきたことを反映するため、研究グループ外からも研究者を招き、質問紙の再構築を中心に研究会形式で検討して精度を高めていく予定である。これらの成果については、国内外の諸学会にて報告を行う。また、それらの内容をふまえて、学術雑誌への投稿も予定している。 2021年度は、引き続き質的調査を中心に調査研究を継続するとともに、前年度までに集積した諸データを総体的に分析・考察し、国内外の諸学会にて報告する。また、学術雑誌への投稿、およびこれまでの研究成果をまとめた報告書の執筆・作成を予定している。なお、最終的には報告書を基にした書籍の刊行を計画・実行することを想定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度当初に国際学会(於:ニュージーランド)での報告があり、昨年度の配分額の一部を今年度に充当して対応した。また、本研究の主対象であるラグビーワールドカップの開催年にあたり、現地視察・調査のための旅費を今年度に計上したが、研究分担者の本務校における個人研究費などを充当するなどしたため、実際の旅費の使用額に若干の余裕ができた。 残額については、引き続き岩手県釜石市での現地調査を継続すること、および2020年度は量的調査の実施を予定しているので、そのための費用に充てる予定である。
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