研究課題/領域番号 |
18K02037
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研究機関 | 平成国際大学 |
研究代表者 |
松林 秀樹 平成国際大学, スポーツ健康学部, 教授 (20453417)
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研究分担者 |
向山 昌利 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (10733785)
高尾 将幸 東海大学, 体育学部, 講師 (60584381)
中島 信博 東北大学, 教育学研究科, 名誉教授 (80005826)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | スポーツ・メガイベント / ラグビーワールドカップ / 災害復興とメガイベント / 地域開発・活性化 / スポーツの力 |
研究実績の概要 |
2020年度の主な計画は、①延期された2019年度日本スポーツ社会学会大会にて報告を行うこと、②2019年9~11月に実施されたラグビーワールドカップ日本大会において12会場の1つとなった岩手県釜石市にて、開催から1年が経過した時点での量的調査(釜石市民1,000人対象)を実施することであった。 ①については、2020年6月にオンラインでの実施となり、研究代表者の松林と、協力者の向山・高尾の3名で報告を行った(共同ではなく各自が1報告ずつ担当)。オンラインでの開催により質疑応答はファイルのやり取りになったが、それぞれに対する質疑を共有して回答を検討するなど、通常開催と変わらない成果を上げることができた。 ②については、2020年の10月に実査を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、(1)現地に赴いてサンプリング調査を実施することが困難になったこと、(2)調査票の発送、データの入力などの諸作業について、研究代表者である松林の本務校研究室にて資料の保管および作業実施を想定し、かつ実際の作業においては作業補助者(本務校の学部学生)を数名募って行うことを計画していたが、講義のオンライン化やキャンパスへの登校制限により補助者を募集することが困難になったこと、主にこの2点により調査を行うことができなかった。 本研究においては、1年目(2018年度)および3年目(202年度)に実施する量的調査を研究の「柱」と位置付けられるため、やはり新型コロナウイルスの感染状況にもよるが、2021年度のできるだけ早い段階で量的調査を実施できるよう、体制を整えていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究実績の概要」にも記した通り、2020年度は本研究2回目の量的調査(ラグビーワールドカップ開催1年後の調査)を実施予定であったが、諸事情により実施することができなかった。また、質的調査に関しても現地へ赴くことが難しく、2020年3月に実施以降、予定を組むことができなくなった。 そのため2020年度は、特に調査研究という点では上記の量的調査の実査・基礎的分析に堪えられるデータ整備を中心に考えていたため、全般的にやや遅れていると言わざるを得ない。 また、2020年度はこれまでの成果の取りまとめという点でも発表できたものが少ないが(学会報告3件、論文2件)、ラグビーワールドカップの開催前・開催中・開催後という3つの時期区分およびその経過観察を主眼としているため、比較対象という点で成果の取りまとめにも困難な部分が生じてきてしまっている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、①2020年度に実施できなかった量的調査(釜石市民1,000人対象)をできるだけ早い段階で実施すること、②質的調査については、(1)特にラグビーワールドカップ開催中の2019年10月に発生した台風19号による被害とその後への影響を調査すること、および(2)ワールドカップ開催から時間が経過したことにより、そのレガシー(遺産)についてどのように評価されているか(場合によっては評価が変わったか)を調査すること、さらには(3)2021年7~8月に開催される夏季オリンピック東京大会との関連性の有無について調査すること、以上の3点を主要テーマとして設定する。そして①の量的調査の結果との類似性や乖離性、関連性について検討する。②の主な対象は、これまで続けてきた調査を継続し、釜石市役所、釜石市内のまちづくり協議会、ラグビー関係者となる。 以上の調査研究をふまえて、2021年度は本研究全体の取りまとめを行う年度になるので、国内外の複数の学会で報告するとともに、本研究の当該・隣接領域(都市・地域社会学、スポーツ社会学、震災・復興研究、地域研究)に取り組む研究者を招聘し、研究発表会を実施していきたい(研究会、シンポジウムなど、規模については要検討)。 また、研究代表者・協力者に限らず、上記の学会報告・発表会を通じて釜石研究・ラグビー研究に取り組む研究者に協力を要請し、成果の取りまとめとして書籍の発行を目指していきたい。そのために2021年度中に成果報告書を取りまとめ、出版社に企画として持ち込むことを計画していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は量的調査(釜石市民1,000人対象)を実施予定であったが、諸事情により実施できなかったため、そのための費用が2021年度に繰り越されることとなった。未実施の量的調査については、2021年度のできるだけ早い段階で実施することを計画している。 また、新型コロナウイルスの感染拡大により、現地での質的調査の実施も困難となったため、旅費・交通費の使用も発生しなかった。 ウイルスの感染状況にもよるが、ラグビーワールドカップ開催後の地域社会の変容を測定すべく、質的調査も可能な限りで再開していくことを想定しているため、そのための旅費・交通費として2021年度は使用予定である。
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