本研究の最終的な目標は、近世都市の人口と家族を歴史人口学の手法を用いて解明することである。飛騨高山には約100年間に及ぶ宗門改帳が残存する。この史料は、慶應義塾大学名誉教授故速水融先生がマイクロフィルム化され、この史料を使って千葉大学名誉教授故佐々木陽一郎先生が研究をおこなった。 本研究では、デジタル化された飛騨高山の宗門改帳から基礎シート(BDS)を作成するという、基本的な作業をおこなった。基礎シートは、残存期間が最も長期に及ぶ弐之町村の宗門改帳から作成を開始した。研究期間内に基礎シートの作成は安永2(1773)年より天明7(1787)年まで終了した。この間の世帯数は延べ1400件に及ぶ。
|