研究課題/領域番号 |
18K02039
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
高橋 桂子 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (50311668)
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研究分担者 |
倉元 綾子 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (20225254)
笠井 直美 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (20255243)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 父親の育児参加 / 父親の家事参加 / 父親の養育態度 / 拡散的好奇心 / 知的好奇心 / パス解析 |
研究実績の概要 |
新潟と福岡の幼稚園・保育所を対象に、父親の家事・育児参加と子どもの非認知能力(好奇心)に関するアンケート調査を実施した。調査は2019年11月、N県N大学教育学部附属幼稚園とF県S学院幼稚園・保育園に通う子どもの父親を対象に留置き法で実施した。回収155サンプルのうち、欠損値を除く3~6歳児の子どもをもつ父親139サンプルを分析サンプルとした。パス解析からは、①育児に参加すると子どもと会話が増える。子どもとの会話が増えると子どもの拡散的好奇心、知的好奇心が高いと父親が評価するプロセスが確認された。父親の「アドバイスする」、「寄り添う」、「見守る」といったポジティブな養育態度からも、同様のプロセスが一部、確認された。②従属変数「自己効力感」でも「好奇心」とほぼ同様の結果を得たが、「Grit」は有意な変数は少なかった。これは、対象年齢が低すぎたことが一因と考える。③「父親の養育態度」から従属変数へのパス係数は「父親の育児参加」からのものとほぼ同等であった。日常的な子どもとの関わりの影響も大きいことを示唆している、といった結果を得た。 これら結果をベースに日本家政学会(2020年5月、高崎)、IFHE(2020年8月、米国)へエントリーし、ともにアクセプトされたが、両学会とも新型コロナウイルスの蔓延により、開催キャンセルとなった。論文を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、新潟と福岡の幼稚園・保育所を対象に、父親の家事・育児参加と子どもの非認知能力(好奇心)に関するアンケート調査を実施した。2019年度に実施したアンケート調査は、パネル調査として位置づけている。継続して実施させていただくことは2019年度踏査依頼時にお話し、内諾を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度も同じ児童を対象に、父親によるアンケート調査を実施する。2019年度調査では、子の非認知能力の評価は「父親自身」によるものであった。2020年度は父親からの評価に加えて、「保育者からの評価」をしていただく予定である。 国内外の学会での発表、論文化という流れは2019年度同様である。 2020年度は国内での研究成果を踏まえ、国際比較研究を行う。そこに組み込むのは、①行動変容ステージモデル、②ナッジなどを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は学科長1年目として慣れない校務に手間取り研究に割ける時間がほとんどなかった。それもあり、使用額が予想以上に繰り越しとなった。2020年度は2年目でもあり、少し余裕をもって校務にあたることができるので、研究にあてる時間も2019年度よりは増えると考える。 国際比較のための調査費用、渡航費用、インターネット調査費用などに充てる予定である。
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