• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

父親の家事参加が子のキャリア志向、非認知的スキルの習得に与える効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K02039
研究機関実践女子大学

研究代表者

高橋 桂子  実践女子大学, 生活科学部, 教授 (50311668)

研究分担者 倉元 綾子  西南学院大学, 人間科学部, 教授 (20225254)
笠井 直美  新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (20255243)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード父親の家事参加 / 大学生のキャリア意識 / インタビュー調査 / dinner table
研究実績の概要

2021年度の研究実績は以下の通りである。
○2019年度以降、継続して実施している幼稚園・保育園児(新潟県長岡市、福岡県福岡市)を対象としたアンケート調査を11月に実施し、日本家政学会第73回大会で発表した。2020年度は保護者の利便性を考慮してGoogle Formによるアンケート調査を併用したが、想定外にGoogle Formによるアンケート調査の回収率が低かったため、2021年度はすべて調査紙配布型によるアンケート調査で実施した。
○大学生を対象に、父親の家事参加頻度と大学生本人のキャリア形成意識に関するインタビュー調査を実施した。方法はZOOM、人数は10人、学年は大学3-4年生、1人あたり1~1.5時間であった。その結果、現大学生の父親は比較的家事(料理、洗濯、掃除)に関わっていること、中学・高校生の時に父親と一緒に料理をする際に、自然と、仕事のこと、おカネのことなどの話題が出ていること、自営業の父親をもつ大学生は父親の働く姿をよく観察して育っていること、接する時間が長くなるほど、オトナの生活の知恵を学ぶ機会が増えていること、などが明らかになった。
今年度に実施したインタビューからは、中高生時代に父親と一緒に料理や掃除など行うという親子の自然な時間・空間を何度か共有することは、アメリカのdinner table(家族が揃って夕食をとる中での自然な会話を通して、子の社会化(gender, political, financial socialization)の場として機能しているというもの)に匹敵する機能を発揮しているように思われる。日本の大学生対象のインタビュー調査から、dinner table同様の機能を抽出できたことは、1つの成果である。次年度も対象地域を拡大して継続実施する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請時の計画では、2021年度は国際シンポジウムを開催予定であったが、まだ父親の家事参加が大学生のキャリア形成や園児の社会性に与える影響でインパクトのある研究結果を得られていない。そのために実施を見送った。その他のアンケート調査、ヒアリング調査は予定通り進んでいる。

今後の研究の推進方策

2022年度は最終年度となる。そこで以下の3点を行う。
①保育園児・幼稚園児を対象としたアンケート調査(第4回目):保護者による園児の非認知能力評価に加え、保育士による園児の非認知能力を実施する。保護者と保育士の2者によるアンケート調査の実施に関しては、2021年秋に長岡の幼稚園から承諾を得ている。2022年度早々に福岡の幼稚園・保育園に承諾を得るために働きかける。仮に承諾が得られなかった場合、2者による調査は長岡だけ実施する。②大学生を対象とした、父親の家事参加が大学生のキャリア形成意識に与える影響に関するヒアリング調査を行う。2021年度の試行的インタビューをベースに質問内容・項目を再検討し、所属大学の研究倫理審査委員会にかけて実施する。対象人数は30人程度を予定している。③大学生を対象とした、父親の家事参加がmoney managementに与える影響に関するヒアリング調査とアンケート調査を行う:2021年度のインタビューで、父親と一緒に料理や掃除をしているとき、父親からおカネのこと、小遣い管理の仕方や株主優待に関する話をきいた、という学生が数人いた。大学生のmoney managementの実態、親からの社会化に焦点をあてたヒアリング調査を、②と同様に所属大学の研究倫理審査委員会にかけて実施する。ヒアリング調査結果をベースとしたアンケート調査を実施する。また渡航が可能となったら、この点に関するフィールド調査を海外(シンガポール、アメリカなど)で実施する。
本科研で得た4年間の成果について学会発表・論文投稿を行う。

次年度使用額が生じた理由

子のキャリア形成に関して新潟、福岡の高校生を対象にした現地ヒアリング調査を検討していたが、コロナ渦であり候補先高等学校から調査許可がおりなかった。そのため、費用の未使用額が発生した。2022年度では、その費用を大学生を対象としたmoney managementに関するアンケート調査(委託費)やヒアリング調査(謝礼)、渡航が可能になった場合の海外調査経費にあてる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件)

  • [雑誌論文] 「日常的なリーダーシップ」行動の認識が自信に及ぼす影響:経験サンプリング法による検討2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋桂子・野中日向
    • 雑誌名

      実践女子大学下田歌子記念女性総合研究所 年報

      巻: 8 ページ: 57-76

    • DOI

      10.34388/1157.00002275

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 4択問題を大学生はどのように選んでいるか2021

    • 著者名/発表者名
      髙橋桂子
    • 雑誌名

      経済教育

      巻: 40 ページ: 53-60

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 奨学金制度の理解と金融リテラシーの関連2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋桂子・阿部信太郎・猪瀬武則・小川正人
    • 学会等名
      経済教育学会春季研究集会
  • [学会発表] Parental financial socialization and healthy financial behaviors among Japanese university students2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Keiko
    • 学会等名
      2021 annual conference of National Council on Family Relations (NCFR)
    • 国際学会
  • [学会発表] Current State and Issues of Financial Literacy among Japanese University Students2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Keiko, Abe, Shintaro, & Inose, Takenori
    • 学会等名
      The 10th annual AEA Conference on Teaching and Research in Economic Education (CTREE)
    • 国際学会
  • [学会発表] The relationship of financial knowledge, attitude, and behavior: evidence from Japanese university students2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Keiko
    • 学会等名
      the International Conference on Financial Literacy at Jissen Women’s University
    • 国際学会
  • [学会発表] A financial behavior and an impact of influencers among Japanese university students,2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Keiko, & Fujiwara, Saki
    • 学会等名
      annual conference of the American Council on Consumer Interests (ACCI)
    • 国際学会
  • [学会発表] 父親の育児参加とポジティブな養育態度が未就学児の非認知能力に与える影響2021

    • 著者名/発表者名
      笠井直美・髙橋桂子・倉元綾子・長谷川宏之
    • 学会等名
      日本家政学会第73回大会
  • [学会発表] 日常的なリーダーシップ行動の認識は女子大学生の自信を形成させるかー経験サンプリング法による検討2021

    • 著者名/発表者名
      髙橋桂子・野中日向
    • 学会等名
      日本家政学会第73回大会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi