本研究では、自然界に存在する生物と区別できないためカルタヘナ法の対象とならない可能性が指摘されているゲノム編集生物に対して,遺伝子組換え生物(GMOs)に反対してきた日本の消費者団体がどのように対応するかを調査している.また,以前は非科学的であると批判された「自然さ」の概念が,ゲノム編集生物を規制から除外する科学的理由として専門家に用いられている.消費者団体への質的調査と質問紙調査,および環境省審議会やパブリックコメントの内容分析により,「自然さ」が専門家と消費者の間の争点として出現していることが確認された.
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