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2021 年度 実施状況報告書

家族変動と個人化に関する社会学的な言説の国際比較研究:ユーラシア地域を事例に

研究課題

研究課題/領域番号 18K02051
研究機関立命館大学

研究代表者

ライカイ ジョンボル  立命館大学, 国際関係学部, 教授 (20552699)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード家族の多様化 / 個人化
研究実績の概要

本研究において、ユーラシア地域、具体的には東アジア(日本、韓国、中国、台湾)と東ヨーロッパ地域(ロシア、ウクライナ、ポーランド、チェコ、スロバキ ア、ハンガリー、ルーマニア)、そしてトルコを事例に、家族変動と個人化に関する社会学的な言説(議論・理論)を比較している。本研究の土台となる初年度 (2018年度)と次年度以降(2019と2020年度)において行った作業を基に、四年度(2021年度)においては、新型コロナウイルスの関係で昨年度(2020年度)実施できなかった研究を実施することにした。具体的には研究の対象とする各学者集団の個別研究とともに学者集団間の相互関係・相互作用をも検討の対象とした。
とはいえ、今年度においても(2020年度と同様に)新型コロナウイルスにより、以上の計画を実現することにはかなりの制限がありました。そのため、基本的に、昨年まで集めてきた資料を検討することのみになっていた。なお、蓄積された資料からとりわけ、本研究で対象とする各学者集団の開放性・閉鎖性について新たな理解が得られました。具体的には、東欧地域の家族研究に取り組んでいる学者集団は(国によって差があるものの)、ごく一般的に言うと、比較的開放性が高い傾向が認められる。つまり、頻繁に国際研究活動に参加している一方、イデオロギー的な面でも自国の生態的環境に閉じこまれていない。それは特にポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー(いわゆる中欧諸国)の場合そうであるが、ロシアのような東欧国の場合でもある程度そのような傾向がみられる。それに対して、例えば中国の家族研究に取り組んでいる学者集団も比較的頻繁に国際研究活動に参加しているが、自国を他国(主に、西欧諸国)と区別する生態的環境が東欧諸国よりやや閉鎖的である傾向を示している。なお、今年度は本研究に関して論文2本出版した。その他にも論文3本執筆した(出版予定は2022年度である)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年度において新型コロナウイルスの関係で海外調査ができなくなってしまい、本研究で対象とする各地の調査協力者の中にも協力が困難になった場合もあった。その関係で、2021年度に計画していた研究はある程度進んでいたが、基本的に昨年まで集めてきた資料を検討することのみになっていた。

今後の研究の推進方策

2022年度において、まず新型コロナウイルスの関係で今年度実施できなかった研究を実施する。具体的には各学者集団の開放性・閉鎖性に焦点を当て続けながら、研究の対象とする各学者集団の個別研究とともに学者集団間の相互関係・相互作用をも検討の対象とする。そうしながら、まず、アジア地域の学者集団の家族研究を東欧地域に対照させ、両者の異同について明らかにし、次に、両地域に関して得られた結果を西洋中心の社会学的な言説と比較したうえで、その異同を調べる。そうしながら、家族と個人化に関する西洋中心の社会学の主流理論を問い直す。なお、(感染状況により)トルコとベトナムでフィールドワーク(資料収集)も行う。また、元々日本、中国、台湾、韓国から家族研究者を招聘し、東アジアにおける家族研究のあり方やゆくえについて(立命館大学で)国際シンポジウムを開催することを計画していたが、2022年度において、ズームで国際シンポジウムを開催することを計画している。そこで、東アジアのみならず、東欧地域からも発表者を集めることにしている。実施予定日は2022年7月3日であり、発表者の予定人数は12人である。本シンポジウムにおいて、各国における家族研究のあり方とともに、家族変動と個人化に関する共通した社会学的な言語(概念的統合等)の形成(作成)可能性について意見交換を行う。

次年度使用額が生じた理由

① 本研究において、東アジアと東ヨーロッパ諸国、そしてトルコを事例に、各地の家族研究者に(現地の家族研究のあり方についての情報収集に関して)協力してもらっている。2018から2021年度においてはすでにいくつかの国の現地の協力者から貴重な情報が入手することができたが、現地の協力者の都合によりまだ遅れているケース(台湾)もある。
② 本研究において、様々な(情報収集や分析のために使いたい)資料(テキストなど)が必要である。その一部がすでに到着しているが、2022年度において、必要な資料を注文し続ける。
③ 2021年度において計画していたトルコとベトナムへの出張(資料収集)は、新型コロナウイルスの関係で実施できなかったため、(感染状況により)2022年度に実施することを計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Family and individualisation in academic discourse: An ambiguous relationship2022

    • 著者名/発表者名
      Zsombor Rajkai
    • 雑誌名

      立命館国際研究

      巻: 34(4) ページ: 37-57

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] The role of family in modern China: A blended compressed transformation of the private and public spheres2021

    • 著者名/発表者名
      Zsombor Rajkai
    • 雑誌名

      Journal of East Asian Cultures

      巻: 13(1) ページ: 241-254

    • DOI

      10.38144/TKT.2021.1.15

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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