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2018 年度 実施状況報告書

離散民の祖国志向の歴史・社会的構築性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K02052
研究機関立命館大学

研究代表者

金 友子  立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (20516421)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード在日朝鮮人 / 在日韓国人 / 在日コリアン / ディアスポラ / 移民 / 民族主義 / 祖国志向 / 移民二世
研究実績の概要

インタビュー調査について。研究期間中に20~30名に対する半構造化インタビューを実施することを目標とした。2018年度は兵庫で活動していた人物3名、東京で活動していた人物1名、東海地方で活動していた人物1名の計5名に対してインタビュー調査を行った。インタビューは文字におこして整理した。対象団体の活動開始から比較的早いうちに活動を停止した東海地方の関係者は探すことが困難であったが、機縁法を用いてたどり着くことができた。6名のインタビュー内容からは、参加および活動継続の動機の多様性が浮き彫りになった。とりわけ人間関係(構成員の人間的魅力)が大きな影響を与えていたことが伺えた点は、「民族」や「祖国」に回収されない観点の必要性を提起する重要性をもつと思われる。また、兵庫で活動していた人々16名、大阪の関係者から協力の内諾を得た。
資料収集について。インタビュー時に対象者から写真や文書等数点の資料を提供してもらった。
理論研究について。ディアスポラ論についての文献研究を行った。ディアスポラ概念の起源とその用法の変遷に関する先行研究を追った。宗教的意味付けが強かった時代から、世俗化を経て人間(民族集団)の移動を指す用語に転化するに至るまで、歴史的負荷の強い用語であることを再確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度はインタビュー調査に注力したため、理論研究の方は若干手薄になってしまったが、調査結果を分析し学会発表ないし論文執筆をする準備は整ったといえる。

今後の研究の推進方策

当初の計画通りに進めていく。初年度の成果を論文にまとめて学会で発表する(2019年8月、国際高麗学会)。初年度以降に探し出した新たな調査対象者に対してインタビューを行う。文献研究は、引き続きディアスポラ論、ナショナリズム論、移民二世のアイデンティティ論等を中心に行なっていくが、社会運動論も視野に入れていく必要性を感じたので、この分野の文献も読み込んでいく。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、以下の三点である。第一、購入予定だったタブレット端末機を買わなかった。第二、東海地方に出向いてインタビューする予定であったが対象者が近隣まで来訪してくれたことに加えて、予定の回数ほどインタビューを実施しなかったので旅費が余った。第三、文献研究よりもインタビュー内容の整理に時間をかけたので図書費の支出が少なかった。
結果として生じた次年度使用額は、2019年8月の国際高麗学会が海外開催なので、その渡航費と諸経費に充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 1960年代の在日韓国人学生運動と「祖国」の位置: 当事者インタビューを中心に2019

    • 著者名/発表者名
      KIM Wooja
    • 学会等名
      The 14th ISKS International Conference of Korean Studies
    • 国際学会
  • [図書] 社会思想史事典2019

    • 著者名/発表者名
      社会思想史学会(金友子)
    • 総ページ数
      888
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621303412

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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