研究課題/領域番号 |
18K02052
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
金 友子 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (20516421)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 在日朝鮮人 / 在日韓国人 / 在日コリアン / ディアスポラ / 移民二世 / 民族主義 / 祖国志向 |
研究実績の概要 |
上半期は、2018年度のインタビュー調査の成果をまとめて学会報告を行う準備に注力した。インタビュー内容を、対象となる民族団体との出会い、日本名・民族名の使用、韓国往来の経験、留学生の存在、日本で生きていくことの難しさと疎外感といったテーマに分類して分析を加えた。これを「1960年代の在日韓国人学生運動と「祖国」の位置:当事者インタビューを中心に」としてまとめ、第14回コリア学国際学術討論会で発表した(The 14th ISKS International Conference of Korean Studies、国際高麗学会主催、2019年8月18-20日、Charles University, Czech Republic)。 新たな調査対象者に対してのインタビューは秋以降に実施する予定であったが、本人の体調不良により実施できなかった。動けるようになった2月頃には、新型コロナウィルス感染症の流行により、対面でのインタビューの実施が困難になった。しかし当事者たちの会合に出席して、グループインタビューの実施について了承を得るなど、調査対象者たちとの関係は維持している。 理論研究について、社会運動論関連の文献を調査した。相対的剥奪論、集合行動論、資源動員論、フレーム理論、新しい社会運動論、グローバルシックスティーズ論(the global sixties)など、どれも本研究における問題意識とは若干の距離があり、即導入するには至っていない。導入するとして、在日朝鮮人の歴史的背景、社会的位置、メンバーシップのあり方と当人たちが認識する(変革の対象となる)社会等、固有の問題をひとつひとつ真摯に吟味する必要があるという至極当然の見解に至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
9月以降、本人の体調不良によりインタビュー調査・フォーカスグループインタビューを予定通り実施できなかった。2~3月に集中して行う考えであったが、新型コロナウィルスの流行により、実施を見送った。
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今後の研究の推進方策 |
いくつか発表したものを論文にして公刊する。 新型コロナウィルスの終息状況をみて、調査対象者へのインタビューを再開する。それまではこれまでに収集した資料の精読、分析に集中する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、インタビュー調査を実施できなかったこと、文献資料の収集にそれほど金額がかからなかったことが大きい。 結果として生じた次年度使用額は、旅費および諸経費に充てる。
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