研究課題/領域番号 |
18K02052
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
金 友子 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (20516421)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 在日朝鮮人 / 在日韓国人 / 在日コリアン / ディアスポラ / 移民二世 / 民族主義 / 祖国志向 |
研究実績の概要 |
これまで実施したインタビューのうち、テープおこしや事実確認ができていなかったものを整理した。また、資料の精読を進め、対象となる団体の活動記録を年表化した。類似の対象を扱う他の研究グループのインタビュー2件に同行し、70年代の在日韓国人学生運動、対象団体の状況、団体への思い、活動の中での自己の変化、他団体との関わりについての話を聞いた。また、同研究グループの研究会に参加し、研究の方向性や分析方法について議論した。 インタビューは、当初20~30名を目標としていたが、新型コロナウィルス感染症の流行により、実施が困難なままである。しかし、団体創設初期のメンバーを知っているという人物とのつながりができたので、今後、少しでも状況が良くなれば再開する準備は整えることができた。 理論研究について、マイノリティ集団に属する個人に与える差別の影響を探るため、現代的人種主義および複合的な差別について関連の文献を調査した。前者については、マイクロアグレッションに関する本を翻訳し出版した。マイクロアグレッションがもたらす委縮効果が、当時の古典的人種主義の影響と相俟って青年期の在日朝鮮人の(民族)意識の基層を成しているであろうこと、後者については、とりわけ女性メンバーの存在と活動への参加の仕方、あるいは不在を考える際に重要な視点を得た。 カザフスタンの高麗人作家の小説を翻訳した。在日朝鮮人とは異なる状況ではあるが、祖国を離れ、移住先からもさらに移動を強いられた人びとが、自らの歴史や文化に対して抱く思いには共通したものを見出せた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの流行が収まらないため、インタビューの実施が困難である。当初の予定の半分しか達成できていない。状況が改善しない場合、リモートや文書(メール)でのインタビューを試みるか、資料に重点を置いた分析・記述を追求する。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの状況をみて、調査対象者へのインタビューを再開する。 新たに発見された資料の精読、分析を行う。 これまでの成果を論文にして公刊する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で調査旅行および海外での学会発表ができなかったので旅費をほとんど使用しなかった。状況が改善次第、インタビュー調査等に使用する。状況が改善しない場合、資料購入等に使用する。
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