研究課題
基盤研究(C)
本研究は、戦後間もなく設立された在日韓国人学生の団体「在日韓国学生同盟」を研究対象として、この団体の1960~70年代の活動に着目し、日本に居住する在日韓国人・朝鮮人の「祖国」志向的な思想と行動を把握し、彼ら・彼女らの活動がどのように組織され、また、民族や祖国なるものが個々人にどのように受け止められていったのかを明らかにした。
社会学
本研究は、日本におけるエスニックマイノリティのうち歴史的に高い比重を占めてきた在日朝鮮人のなかでも、二世という世代の実像を、特定の団体に参加していた個人の歴史と実践という観点から立体的に明らかにし、研究蓄積が比較的薄い60~70年代の在日朝鮮人(史)研究の欠落を埋めることに寄与した。また、彼ら・彼女らの祖国志向は歴史的・社会的に構築されたものであり、所与のものとは看做されないことを示した。インタビューを通して、社会的マイノリティ集団におけるピアサポートの重要性が確認された。