研究課題/領域番号 |
18K02063
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
西島 文香 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (70432812)
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研究分担者 |
飯國 芳明 高知大学, 教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門, 教授 (40184337)
深山 誠也 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 講師 (50756682)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 単身高齢者 / 中山間地 / 支援ネットワーク / 社会関係資本 |
研究実績の概要 |
①「地域包括ケア」の中核となる「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」に焦点を当て、中山間地を含む県下を広くカバーしてサービス提供する介護事業所の事業実態をヒアリング、データ提供により明らかにした。2017年3月から2018年9月の間、訪問看護協会へのヒアリングを1回、居宅介護事業所へのヒアリングを3回実施。その他研修等に参加し、データ提供を受けた。
②上記について、論文「介護保険制度における随時対応型訪問サービスの意義と課題-定期巡回・随時対応型訪問介護看護をめぐる論点を中心に」(『高知論叢』第115号、pp.1~34、2018年10月)を公表。このなかで、調査対象事業所では、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」の利用者の6~8割が単身・後期高齢者であり、当該サービスが見守りや安否確認として柔軟に機能する一方、本来サービスの中心的利用者層となるべき中重度要介護者への提供が低調であることが明らかとなった。包括方式をとる介護報酬のあり方などを課題として指摘した。
③2017年度に「高知大学地域包括ケア研究会」として実施した先行調査研究のデータを当該研究の研究代表者・分担者・協力者で共有し、あらたな分析に必要なデータセットにするため、再度コーディングした(2018年2月~6月)。中山間地に居住する単身・後期高齢者の栄養状態(食品多様性得点を使用)と活動能力(老研式活動能力指標を使用)の相関関係や、これらの指標を用いたクラスター分析を行った(2019年1月~3月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の先行調査研究として2017年度に実施した生活支援ニーズ調査のデータの再分析を行っているところであるが、担当者間のデータの移管や新たな分析のためのコーディング作業に時間を要した。 また、現在取り組んでいるクラスター分析について、現状では明確なクラスターの抽出に至っていない。クラスター分析に用いる変数などの再検討が必要である。 さらに、先行調査研究において中心的な役割を果たしてきた研究協力者1名が2019年3月末で転出し、今後の連携・協力を図るうえで課題が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
先行調査研究として行った生活支援ニーズ調査のデータのクラスター分析において、栄養状態や活動能力以外の変数に着目し、さらなる分析を行う。また、地理的条件の視点を加えた相関関係や回帰分析なども行っていく。 また、本研究対象となっている他の地区においても同様の生活支援ニーズ調査を行い、地理的条件の異なる地域における社会関係資本の実態に関する比較検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費として購入予定であったpcのうち1台と解析ソフトについては、調査研究の進捗状況に鑑みて当該年度の購入を見送った。また、先行調査研究の分析が終了していないため、当該年度で実施予定であった比較調査の対象地区における調査を次年度以降に延期した。 以上のことから、物品費、旅費、人件費ともに未使用額がある。
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