研究課題/領域番号 |
18K02076
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
野田 敦史 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 准教授 (60584018)
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研究分担者 |
野澤 義隆 東京都市大学, 人間科学部, 講師 (20550859)
西郷 泰之 大正大学, 人間学部, 教授 (30266241)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 家庭訪問 / 子育て支援 / ホームビジティング / メゾレベル |
研究実績の概要 |
当該年度に実施した研究は①訪問型子育て支援における効果指標の抽出、②市町村および民間事業所を対象とした全国実態調査に向けた調査票の作成の2点である。 効果指標の抽出にあたっては、日本の家庭訪問型子育て支援をメゾレベルで捉えることを目標に文献研究を実施した。具体的には、家庭訪問型子育て支援の範囲と類型を仮定し、その視点から再度、既存の研究の知見を確認・整理した。結果、家庭訪問型子育て支援の範囲は,先行研究と一部異なる15事業種の行政事業と4種類の民間活動とした。また、類型化に向けた一つの試みとしての指標は、①実施機関、②制度、③訪問対象、④介入度、⑤滞在時間、⑥自己負担を設定し,一覧化を図った。また、現在の家庭訪問型子育て支援を対象とした文献は140件で、その特徴は新生児訪問指導と居宅訪問型保育事業、乳児家庭全戸訪問事業、母子保健推進員の活動を対象とした研究が多い傾向にあった。加えて、研究方法では量的研究が多い傾向にあった。今後の課題として、訪問事業・活動種で研究数に差があることやメゾレベルで各事業種を捉えた研究が少なかったことから、より明確にメゾレベルの実態把握ができるよう、類型化に向けた新たな指標の抽出・提示が求められることが挙げられた。なお、この研究結果は健康福祉研究(2018.9)第15巻第1号に掲載し、日本子ども家庭福祉学会第20回大会(2019.06)自由研究発表にて発表予定である。 調査票の作成にあたっては、「訪問型子育て支援実態調査票案Ver.1」を作成し、先駆的取組事例がある地方自治体3か所および民間事業所2か所に対しヒアリング調査を実施した。「訪問型子育て支援実態調査票案Ver.1」の項目内容については、同様に日本子ども家庭福祉学会第20回大会(2019.06)自由研究発表にて発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度に実施する予定であった研究は①訪問型子育て支援における効果指標の抽出、②市町村および民間事業所を対象とした全国実態調査に向けた調査票の作成の2点であり、いずれも明確な結果や成果を出すには至っていないが概ね計画通りの進捗状況にある。 具体的には、効果指標の抽出後に調査票する予定であったが、明確な効果指標を抽出するに至らず、現状、試案の調査票は実態把握を目的とした項目構成になっている。 しかしながら明確な効果指標が無くとも十分な実態調査は実施できる見込みがあり、実態調査結果を踏まえた効果指標の抽出も可能であると判断している。 よって、当初の計画どおりの研究計画で実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度実施した研究の中で明確な効果指標が抽出できていないこと、およびその効果指標に基づく調査票の作成が不完全な状況にあることに対しては、文献研究で試みた指標を参考に調査票は実態把握に比重をおいた項目に設定しつつも、仮説検証できるよう項目設定し対処する予定である。同時に日本子ども家庭福祉学会第20回大会(2019.06)自由研究発表にて、試案中の調査票を提示し、同分野の学術上の視点から広く意見を乞うこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の支出は旅費のみに留まった。その理由は当初、次年度実施予定の調査に係る消耗品費およびデータ入力・保管・分析用の専用パソコン購入費を計上していたが、調査回答方法をクラウド式もしくはWeb入力式に変更することも検討中の為、これらの項目費用は保留としたことによるものである。これら当該年度に支出しなかった項目の支出は、回答方法が確定次第、支出する予定である。
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