本研究では、ソーシャルワーカー(以下、ワーカー)の自己生成プロセスを支える「実践共同体(以下、共同体)」の構造を明らかにすることを目的とし、15年以上の臨床経験を有するワーカーを対象にインタビュー調査を実施した。その結果、①研修体制などの整備により、共同体は減っている、②共同体はワーカーが所属する法人内外で生成され、法人内では、明確なテーマをもつ集団ともたない集団に大別される、③複数の強共同体に通底しているのは、「人間理解に基づいた人間尊重」という価値である、④メンバー同士の「緩やかなつながり」を内包する共同体には、新たな社会福祉実践を生成する高い可能性を有していることなどが明らかとなった。
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