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2022 年度 実績報告書

国内外の要請に応えうる法人後見システムの構築-社会福祉協議会に焦点をあてて-

研究課題

研究課題/領域番号 18K02085
研究機関皇學館大学

研究代表者

鵜沼 憲晴  皇學館大学, 現代日本社会学部, 教授 (80290245)

研究分担者 関根 薫  皇學館大学, 現代日本社会学部, 教授 (10319395)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード成年後見 / 法人後見 / 意思決定支援 / 公的後見 / 後見支援員 / 社会福祉協議会 / 成年後見利用促進
研究実績の概要

第1に、全国の市区町村社会福祉協議会を対象とした法人後見実態調査を行い、社会福祉協議会における法人後見の意義と課題を明らかにすることができた。社会福祉協議会による法人後見は、とりわけ複合的な生活課題を抱えているケースに対応可能である点、同居者を含めた包括的な対応が可能である点、意思決定支援に配慮した後見業務(身上保護)が可能である点が明らかとなった。しかし、兼任職員のみで対応していたり苦しい財政状況にあったりする社会福祉協議会が7割近くを占めていた。成年後見におけるセーフティネットとなっている社会福祉協議会の法人後見の持続可能性を高めるためにも、成年後見制度利用支援事業の全国的普及をはじめ、成年後見制度法人後見支援事業の充実化等が課題としてあげられる。
第2に、社会福祉協議会の法人後見をサポートする後見支援員の活動の意義を明らかにした点である。2名の後見支援員の活動に同行させていただき、利用者とのやりとりを記録した。当該記録の分析から、意思決定支援に関連した以下のようなスキルが析出できた。すなわち、①肯定的評価による自尊心の回復、②話しやすい場・環境の設定、③意思形成に向けた選択肢の提供、④多面的な情報収集、⑤他職種との連携、⑥家族との情報の共有、⑦潜在的ニーズの把握、⑧必要に応じたアドボケイト、⑨意思の強さ・継続性の確認、⑩不合理と思われる意思の最大限の尊重、⑪関係者間で共有された支援目標の意識化、⑫妥当性が判断できない場合の保留等である。また、こうした後見支援員の活動を支える社会福祉協議会職員による支援として、①利用者の支援目標の設定および後見支援員との共有、②妥当性の判断が難しい場合の関わり方の提示、③関係機関への後見支援員による意見の代弁、④適切な関わり方の示範等があった。

備考

鵜沼憲晴(2022)『国内外の要請に応えうる法人後見システムの構築-社会福祉協議会に焦点をあてて- 平成30年度~令和4年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金基盤研究C 課題番号18K02085)研究成果報告書』株式会社オリエンタル 1-170頁

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 意思の特徴を踏まえた意思決定支援―成年後見における共同意思決定の導入―2023

    • 著者名/発表者名
      鵜沼憲晴
    • 雑誌名

      皇学館大学日本学論叢

      巻: 13 ページ: 1-22

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 社会福祉協議会における法人後見の現状と課題 ―意義、意思決定支援、公的支援のあり方を中心に―2022

    • 著者名/発表者名
      関根薫・鵜沼憲晴
    • 雑誌名

      厚生の指標

      巻: 69(13) ページ: 40-49

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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