研究課題/領域番号 |
18K02086
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研究機関 | 京都光華女子大学 |
研究代表者 |
石井 祐理子 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (10367956)
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研究分担者 |
小野 智明 横浜創英大学, こども教育学部, 教授 (00515736)
南 多恵子 京都光華女子大学, 健康科学部, 准教授 (10455040)
妻鹿 ふみ子 東海大学, 健康学部, 教授 (60351946)
岩本 裕子 関西国際大学, 教育学部, 講師 (00632358)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 福祉施設のボランティア受け入れ / 住民と施設の協働 / 先行事例 / 実践モデル |
研究実績の概要 |
1.研究会の実施:メンバーが関東圏と関西圏に在住しており、研究会の開催は両圏にて交互に実施した。第1回(通算4回)2019年5月28日(土)岡山県にて実施。好事例ヒアリングの対象施設、ヒアリング内容の検討、日程や担当メンバーの調整を行った。第2回(通算5回) 2019年8月5日(月) 神奈川県にて実施。予備調査を実施後、本調査に向けてインタビューガイドの修正を行った。第3回(通算6回) 2019年12月26日(木) 神奈川県にて実施。本調査が終了し、調査結果の報告内容について検討した。第4回(通算7回) 2020年3月12日(木) 京都にて実施。調査結果のアウトプットの内容と方法について検討した。 2.ヒアリング調査の実施:本研究会に研究協力者として参加いただいた職員の所属施設を「予備調査対象施設(2か所)」と位置付け、本調査対象施設(6か所)の計8か所に対してヒアリング調査を行った。ヒアリング実施期間 2019年7月~11月。ヒアリング対象施設:きたおおじ、西院(いずれも京都市内)、眉丈園(石川県内)、グランドオーク百寿(大阪府内)、かみさぎホーム、おたきほうむ(いずれも東京都内)、ゆうゆう、四恩園(いずれも北海道内) 3.学会での発表:前年度、「好事例」の中から先行事例に取り組んでいる施設職員(2名)を研究協力者として研究会に招聘し、具体的な実践内容や本研究に対する有益な助言をいただき、研究の枠組みを構築した。第33回日本地域福祉学会にてその枠組みについて口頭発表を行い、全国からの参加者とともに議論を行った。その学会での成果をヒアリング調査に反映させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、「ボランティア受け入れ側の福祉施設と、ボランティアをする側の地域住民という協力関係」から、「住民と施設の協働」という関係を構築することが強く要請される社会的な状況の中で、現行の「ボランティア受け入れ」をどのようにすれば「協働関係」へと発展させることができるのかを先行事例から探るものである。 本年度は、前年度の研究活動を一旦総括して、ヒアリングを視野に入れた研究枠組みを構築し、日本地域福祉学会にて発表することができた。また、発表時には全国の研究者と意義ある議論ができた。 また、全国から好事例を選出し、現地に赴いて8施設に対するヒアリング調査を実施することができた。実際にヒアリングを行うと、研究活動を開始した当初の「住民と施設の協働」のイメージを超越する、素晴らしい実践や現場で躍動する地域住民、施設職員・関係者と出会い、地域好奇心だけではなく心情的にも大いに共感することができた。そして本研究の意義を再確認することができた。 さらに、ヒアリング調査による実践を集結させ、研究会活動を継続して住民と施設の協働のための実践モデルのあり方を検討し、いくつかのモデリングを試みた。こうした研究活動の成果は、2020年度の日本地域福祉学会や日本社会福祉学会等の学術学会にて報告する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ヒアリング調査による実践を集結させ、研究会活動を継続して住民と施設の協働のための実践モデルのあり方を検討し、いくつかのモデリングを試みた。こうした研究活動の成果は、2020年度の日本地域福祉学会や日本社会福祉学会等の学術学会にて報告し、本研究に対する意見や助言・忠告を広く聴収する予定である。また、「福祉施設のボランティア受け入れ」の研修を企画実施している複数の県社会福祉協議会ボランティアセンターの担当者らを対象に、グループインタビューを行って研究活動から導いた実践モデルに対する検証を行う予定である。 さらには、実践経験豊富な様々な立場の方々からの意見を拝聴し、住民との新たな協働を作ることに成功している福祉施設の実践モデルをいくつかに類型化し、成功要因を明確にして汎用性の高い実践モデルとして高め、広く提示することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者のうち1名が、2019年度に体調不良となり研究活動を休止した。そのために研究会活動も一時的に休止となった。次年度は未実行の研究活動が予定通り遂行できるよう積極的に活動する。
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